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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
「ザ・コンテンダー」(ロッド・ルーリー監督・2000年)

 大統領が、副大統領を選ぼうとする。有力な候補者は、2人。1人は、野心満々すぎると大統領は遠ざける。もう1人が候補者として、浮上する。ハンソン(レイン・ハンソン)氏。女性上院議員である。民主党だが、大物共和党議員の娘である。
 大統領になれなかった議員や副大統領候補になりそこねた政治家たちが、仕返しと野心を込めて、ひきずり落とし工作をはかる。
 何と彼女が、18歳の大学生のときに乱交パーティーに参加したときの写真や記事がインターネットで出まわる。また、今の夫との結婚が略奪愛で、不倫だったとの疑惑もばらまかれる。
 政治の世界って大変ということが、しみじみとわかって結構恐いものがあった。政治家って大変なのねえ。
 ハンソンさんは中絶を認める立場である。委員会で副大統領として、認めるかどうかの質疑応答が続く。そのときに彼女に対して、「人殺し」という言葉が使われる。
 質疑を切り抜けていく彼女。
 ハンソンさんのいい所は、ダブルスタンダードを持たないことだ。「私は、本当はこう思うんだけれど、公の場ではこう言う」ということを持たないことだ。
 切り抜けていくと同時に、実は、単純な私はこのことに感動して、私もこうなろうと思った。
 どこの世界にも、どんな社会にも、集団であれば、多かれ少なかれ「政治」があり、権力闘争があるだろう。本家本元の政治は、予算総額82兆円をめぐる国家の行方を決める権力闘争でもある。日本の権力闘争をしているんだか、どこで意思決定をしているんだかわからない政治に比べて、アメリカの大統領、副大統領を巡る権力闘争はもっとはっきりしていてすさまじいと思える。
 女性がどういう形でおとしめられていくのかということもよくわかる映画だった。将来妊娠、出産して休む可能性のある女性を副大統領にすることの是非まで言われるのだもんね。性的なスキャンダルも致命傷になりかねないし。
 女性が進出することで少しは、政治のなかみが変わるか。
 ハンソンさんが、ダブルスタンダードで生きないように、従来の男たちと違うやり方をとっていくことを女性もトラブルや論争に負けないで乗り越えていくことが必要である。
 私は、国会議員にとらば〜ゆして「タフでなければ生きられない。優しくしなければ生きている資格がない」というチャンドラーのハードボイルドのセリフを時々つぶやくようになった。固ゆで卵であると同時に、瑞々しい感受性をもってやりつづけるというのが課題。ハァー、それにしても恐い映画だったよ。
 ところで「アメリカン・ハート」や「恋のゆくえ」に出ていたジャフ・ブリジスが大統領で、クリスチャン・スレイターが国会議員の役。それぞれはまっていて、俳優さんてやっぱりうまいなあ。
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