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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『ホワイト・オランダー』(ピーター・コズミンスキー監督 アメリカ 2002年)

 出演:ミシェル・ファイファー、レニー・ゼルウィガー、アリソン・ローマン
 美しく、カリスマ性を持つ有名なアーティストイングリットと娘アストリッドの物語。
 イングリッドは、有名な素晴らしいアーティスト。ミシェル・ファイファーが、美しく、強い、意志的な女性を好演している。
 イングリッドは、彼女を捨てようとした恋人を殺したことで、逮捕され、刑務所に行ってしまう。
 里親のところを転々とせざるを得ないアストリッド。
 里親との関係で、様々な苦労をしていく。

 実は、イングリッドは、アストリッドが生まれたときに、予期しない妊娠だったこともあり、人にまかせて、つまりある意味赤ん坊を捨てて、男性との暮らしを選択していた。戻ってきたママ。
 刑務所に面会に行くアストリッドに対して、ママであるイングリッドは、干渉し、「支配」をしようとする。
 「強く生きるのよ。」とママは言う。
 「わたしたちは、バイキングの子孫なのだから、強く生きるのよ。」ともママは娘に言ってきた。
 この言葉は、きれいなアストリッドに嫉妬した里親の女性に肩を銃で撃たれて、倒れるアストリッドの耳で彼女を死なせず、励ますことになる。
 しかし、このママはすごい。
 支配欲がすごいのだ。

 裕福だが、夫がメディアで働いていて、撮影などで何ヶ月も家をあけるため、寂しいと感じている女性が里親(レニー・ゼルウィガー)の家で、娘が面倒をみてもらうことになったことがある。
 夫はとてつもなく不在がちで、ロケ先に妻がくることは嫌がる。夫が浮気をしているのではないかと疑っているレニー。彼女は、寂しくてたまらない。

 やさしい彼女にアストリッドはかわいがられる。
 子どもに恵まれなかった彼女は、アストリッドをとてもかわいがる。
 レニーが好演をしている。
 海辺を2人で走る。
 レニーがアストリッドに聞く。
 「人生で一番幸せだったのはいつ?」
 レストランで、くつろいでアストリッドは答える。
 「今日」

 アストリッドとレニーは、刑務所にいるイングリッドに会いに行く。
 母と里親は、話をする。
 そして、母と娘も話をする。
 「あんな不幸せな女のいうことをなぜ聞くの」ということを娘に話す母親。

 落ち込んだレニーは、夫に離婚を言い渡され、夫は家を出ていってしまう。

 泣いているレニーを慰めるアストリッド。
 しかし、アストリッドが朝起きると、レニーは毒を飲んで死んでいた。
 荒れるアストリッド。

 母親がレニーに言った言葉が、レニーを結局は追いやったと思う娘。母親が何を言ったかわからないけれど、ピストルで殺すように、言葉で殺したんだと確信をする娘。
 娘は、反発し、ヤンキーな女の子になる。
 今度は、面会に来た娘の格好に、「そんな格好嫌い」という母。

 最後は、娘を解放をしてくれる母。
 ようやく和解が訪れる。
 ママは、多元的な価値を認めない。幸せにはいろんな形があることがわからない。しかも支配的だ。

 「こんな支配的な母親は嫌いだ。」そう家で怒鳴ると娘は言う。
 「最後は和解したんだからいいじゃない。」

 「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」もそうだけど支配的なママと娘の話は最近、アメリカの映画では多い。
 支配的なママは、実は問題を抱えたり、弱さを持っている。
 ある意味フェミニズム映画である。母と娘のシスターフードが最後はできるという映画でもある。
                    (福島みずほのHPより一部変更して転載)
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