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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『ビューティー・インサイド』(監督・パク・ジョンヨル 韓国 2015年)

 切ない、切ないラブストーリー。
 そして、それだけではなく人はなぜその人なのかということを考えさせられる。外見や社会の中での地位ではなく、その人を大事にすることが大事だ、何が大事なのかを痛感させられる。
 キム・ウジンは、18歳のときから、実は、夜、寝ると、朝、姿が変わってしまうようになった。女性になることも、外国人になることもある。日本人の女性になったこともある。子どもになることもあれば高齢者になることもある。SF的世界。
 彼は、家具職人として、良質な家具を作っている。母親と親友はそんな彼を支えている。家具職人である彼は、彼の家具も扱う大型家具店に行き、そこで働くイス(ハン・ヒョジュン)に会う。イスに恋をしたウジン。彼は、彼女に会うために、毎日家具店に通う。毎日、姿を変えているので、イスは違う客と思い込む。
 ウジンは、とってもかっこいい男性になる日が来ることを待ち、そうなったら、イスにデートを申し込む。姿が変わらないように、3日くらいがんばって起きている。うーん。
 ある日、ウジンは、イスに自分のことを話す。何のことかわからないと混乱し、困惑するイス。しかし、無口だけれど、誠実で優しいウジンに惹かれていく。
 違う多くの俳優が、同一人物ウジンを演ずる。また、相手が同じ人だということを前提に繊細にイスを演じなければならない。演技力が必要。SF的な荒唐無稽の設定も切実に心に響く。
 待ち合わせてもイスはウジンがわからない。「僕だよ」と言われなければわからないのである。
 知り合いたちからは、毎日男をかえているの?と言った冷やかしを受ける。生易しくない恋愛。
 なぜその人はその人なのか。その人の境遇が変わってもその人はその人なのである。
 羽ぶりが良い時にちやほやし、そうでない時は、立ち去る人は、真の友ではないのである。

 どんな時も全く変わらず、付き合ってくれる人は貴重である。
 この映画は、人は見かけではない、性別、年齢、国籍などすらも超え、人間として変わらないということ言っているようにも思える。どんな姿であっても、ウジンの誠実さ、優しさ、真剣な眼差しは変わらない。
 この映画を見て、人を見る目が少し変わった。一見オジサンに見えても、その人のなかにみずみずしい少年が入っているかもしれない。一見オバサンに見えても、その人のなかに内気で内省的な少女が入っているかもしれない。
 その人をその人として、大事にできたら素敵だ。
              (福島みずほのHPより一部変更して転載)
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