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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『チェ 28歳の革命』(スティーヴン・ソダーバーク監督 アメリカ/フランス/スペイン 2008年)

 主演 ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル
 スティーヴン・ソダーバークは、1963年生まれ。わたしが初めて見た映画は、「セックスと嘘とビデオテープ」、孤独みたいなものが、描かれていて、面白かった。
 その後の「エリン・ブロコビッチ」などを見る。
 天才だと思っているが、今回の映画は、後半を描いたこれから公開される映画も楽しみになる映画。

 キューバ革命の困難とみんなで力を合わせてバチスタ軍事政権を倒したときまでが描かれている。街では、ゼネストが起き、地方では、蜂起が起きている。
 様々な勢力が、力を合わせて、革命を成功をさせるまでが、丁寧に描かれている。

 当時、キューバは、ごく一部の者が、富を独占し、農民は苦しみ、識字率は低く、軍事政権による虐殺や弾圧が続いていた。
 カストロとチェ・ゲバラなどのゲリラ戦争が描かれている。
 銃撃戦が続く何年もの間が描かれる。
 チェは、医者で、みんなの看病などもする。喘息の病気を持ち、休んでいるときは、本を読んだりする物静かな面も持っている。
 仲間が、負傷をすると、みんなで担架に乗せ、必死で運び、必死で看病をする。
 どうやって、ゲリラ戦に勝利をしたかが、描かれている。

 銃撃戦で、仲間や敵である同国人が多く亡くなっていくのは、見ていて辛い。
 当時、軍事政権を倒すためには、このような方法しかなかったかもしれないが。

 村の女性を強姦をしたゲリラの仲間は、規律を乱したとして、銃殺をされる。

 人間チェ・ゲバラの暖かさが伝わってくる。
 行く先の村人たちが、医者でもあるチェのところにやってくる。「どこが悪いのか?」と聞くチェ。それに対して高齢の女性は、「わたしは、一度も医者を見たことがないので、医者を見に来た。」と言う。
チェは、「わたしは、あなたの医者だ。」と答える。嬉しそうにするその女性。

 若い仲間に対して、勉強をしろというチェ。

 相手方が降伏をした後、車で移動をする。みんなでジープのような車に乗ってハバナに移動をしているときに、米軍が残した真っ赤な派手な車に乗って、得意満面浮かれて移動するわかいゲリラの人たちを叱責をするチェ。
 チェにしたら、これからが革命だ、浮かれるなということなのだろう。

 チェは、キューバ革命後、産業相になる。
 1964年、国連総会で、キューバ代表として、歴史に残るスピーチをする。

 この映画では、出てこないが、1965年2月24日、チェは、アジア・アフリカ会議で、のちに伝説となる演説を行う。ソ連陣営を利己的で、暗黙のうちに現行の世界経済の法則に便乗をしていると批判をしている(「チェ・ゲバラ」ジャン・コルミエ著、太田昌国監修、創元社刊より)。

 チェは、カストロに別れの手紙を書き、ボリビアに出かける。

 わたしの日常からしたら、正直ゲリラ革命は、遠くに思える。
 しかし、人間チェや熱い思いは、伝わってくる。

 インタビューのなかで、チェが言う言葉が印象的だ。

 「真の革命家は、偉大なる愛によって導かれる。人間への愛。正義への愛。真実への愛。愛のない真の革命家を想像することは不可能だ。」

 この愛という言葉が一番印象に残っている。
 チェは、キューバの政権で、要職についていたにもかかわらず、拘泥せず、キューバからいなくなって、ボリビアのなかで、がんばろうとする。
 その潔さや愛が人々の心を打つのだろう。
 わたしも偉大なる愛によって導かれるということをかみしめて生きていきたい。

 先日、チェのお嬢さんが、キューバから、来日して、講演をされ、話を聞くことができた。
 モザンビークに行ったときに、みんなで自主的に運営をしている農場を訪れた。
 その農場の名前は、チェ・ゲバラ農園というものであった。モザンピークは、かつて社会主義国であった。人々が、チェの名前をアフリカでつけていることを、この映画を見ながら、改めて思い出した。
 世界の多くの人が愛しているのだ。
                    (福島みずほのHPより一部変更して転載)
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