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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『彼女を見ればわかること』(2000年.ロドリゴ・ガルシア監督.アメリカ)

 キャメロン・ディアス、グレン・グローズ、キャシー・ベイカー、キャリスタ・フロックハートなどの女性たちの競演。監督・脚本は、ロドリゴ・ガルシア。母親を介護している娘、妊娠して、中絶する孤独な銀行の支店長、15歳の息子と暮らしている母親、女性のゲイのカップル、眼の見えない妹と暮らしている刑事の姉。女たちのオムニバスの5話。みんな普通に暮らしているようで、孤独である。でも救いがないようで、どこかホッとする部分もある。自分や自分の友人・知り合いたちに投影する部分もある。「マグノリア」は、とんがっているトム・クルーズのように、孤独も傷も深く、癒しも再生も深いという感じだけれど、「彼女をみればわかること」は、もっと普通っぽい。女友達とじっくりおしゃべりがしたくなる。
 5話オムニバス形式の映画をつくるときに、ゲイのカップルをいれるというのは日本の映画ではないのでは。
 グレン・グローズ演ずる医師は、母親の介護をしているが、自分の殻に閉じこもっている。
 30代で若くして、銀行の支店長をしている(ところで、銀行の支店長が、ノースリーブのこんなワンピースを着て、オフィスで仕事をするかなあ)女性は、恋人がいるが、彼は、結婚している。妊娠をして、中絶を選択する。タバコをせがむホームレスの女性とたびたび会話する。「娼婦か」と声をかけられ、「人に言えないことをやってきたのだろう。」と言われ、支店長は黙っている。「自分しか愛さないかわいそうなお姫様。罵倒しているのではなく、おまえがかわいそうなのだ。」と言われる。その通りなのだろうか。
 男社会で、出世したということは、人に言えないことをやってきたのだという人もいるだろうし、そうでない人もいるだろう。このホームレスの女性の発言は、意地悪にも思える。
 しかし、この支店長の孤独は何なんだろう。一歩間違えると殺された東京電力の女性社員の闇につながるような。
 勤務中、トイレの便座に座ってボーとしている。後から考えたら、生理がこない、妊娠したのだと考えていたのね。
 表向き仕事をしつつ、いろんな傷や思いや孤独をかかえているということが、自然とでている映画である。
 眼の見えない妹であるキャメロン・ディアスと暮らしているしっかりものの刑事の姉。デートにでかける妹の化粧をしてあげる。眼の見えない妹のほうが、艶っぽくて、姉のほうが、抑制のきいた人生を送っている。姉と妹の微妙な関係。家族のなかで、しっかりものは我慢しているところがあるのだ。
 ガラス細工のような心を隠して、でも普通の顔して、みんな仕事をし、生きている。
 いろんな友達の顔を思い出した。強気で仕事していて、実は恐がりだつたり、辛いことがあったり、自分に自負があったり、面倒をみなくてはいけない家族があったり・・・・・・・。
 ちょっと辛いよ、女の人生というところだろうか。
 この映画は、社会的にみると、マイノリティーと言われる人たちが登場する。
 ゲイのカップルであったり、体の小さい人であったり、眼の見えない人であったり・・・・。
 マイノリティーがさりげなくでてくることは、とっても大事だ。
 美男・美女ばっかというのでないのがいい。
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