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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『レッドクリフPartII―未来への最終決戦―』(ジョン・ウー監督 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国 2009年)

 横山光輝さんの「三国志」を全巻読んだことがある。
 映画を見ながら、ああ、マンガで読んだといろいろ思い出した。
 圧倒的な軍事力を誇る曹操軍。
 それに対して、迎え討つは、何十分の一。
 でも勝つんですよね。

 地の利、自然の利、結束力、知恵、相手を弱らせるなどなど勝つヒントはいろいろ。
 史実に忠実な部分と映画を面白くするために導入した部分と。
 映画的に導入をした部分の評価が、この映画の評価ともつながると思う。

 以前見た『墨攻』は、登場人物は、男性だけ。はっきり言って女っけなし。
 あの映画は、そんなところが地味でヒットしなかったのだろうか。

 「兼愛非攻」は、「天地人」の「愛と義」に通ずるところがあって、興味深かったけれど。

 『レッドクリフ パート2』は、中国の映画にハリウッドの味つけをしている。
 絶世の美女なるものを登場させ、その美女を手に入れるために、曹操は、戦争をしかけ、その美女は、夫を救うために、単身曹操のいる城に向かう・・・・。
 えっ、こんな話だったけというながれ。
 わたしもそう思った。
 話を面白くするためにこの映画はそうしている。

 女って、単身行くことができるのだとためになる話でしたが、史実と違い、こんなんで歴史が決まるの?という気もしました。
 とことん戦いというふうに、手に汗を握る闘争劇のほうがすっきりするのでは。

 女性が2人登場をする。
 ひとりは、その絶世の美女。
 そして、もうひとりは、男装をして、兵隊のひとりになりすまし、曹操軍に潜り込んで、スパイを働き、有益な情報をもたらす。
 単に美女だけにしていないところが、これまたハリウッド的。
 違うタイプの女性も登場させている。

 それにしても日本では卑弥呼の時代に中国はこうだったのだとあらためてビッグさに驚く。

 諸葛孔明役の金城武さんもひょうひょうとしたいい味を出している。

 また、両方の兵士の描き方は、参考になると思う。
 『ロード・オブ・ザ・リング』の映画は、善と悪の対決で、悪は、異形の形をし、ひどく醜く描かれていた。
 善の側は、いろいろいたけど、エルフは、まさに白人の象徴で、背が高く、あくまでも白かった。
 悪は、攻め滅ぼされる対象。悪の側の象なんて、まさにオリエンタルだものね。

 白人対その他とも言える。
 キリスト教の描き方なのかどうかわからないけれど、善と悪は、きれいにぱっちんと描かれている。

 そういえば『スターウォーズ』のダースべーダーは、悪に身を落とすにつれ、外見が真っ黒になっていく。

 ところが、この『レッドクリフ パート2』は、曹操軍の兵士と呉側の兵士の交流が描かれている。
 スパイにはいった呉軍の兵士と曹操軍の兵士は、曹操軍の兵士が知らないからだけど、ともだちになる。
 曹操軍の兵士たちは、故郷を遠く離れ、ホームシックにかかったり、人間的に描かれる。
 曹操軍は、帝国軍で、曹操は、侵略者として、描かれているのだけれど、曹操軍の兵士は、故郷や家族のことを思い、税金のことを考え、他の人たちのことを心配をする普通の人として描かれている。
 こんなところは、いわゆる西洋の映画ではあまりないいいところのように思う。

 戦略が大事ということを教えてくれる映画。
                    (福島みずほのHPより一部変更して転載)
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