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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
「忘却 憲法9条」フジテレビ2005.5.3放送「NONFIX」(是枝裕和作成)

 憲法9条の番組をこんなふうにつくれるのかという感動。
 是枝さんから、フジテレビで、憲法の番組が作られていて、是枝さんが、憲法9条を、森達也さんが、憲法1条についての番組を作っていると聞いていた。

 憲法や9条から出発するのではなく、個人史からスタートしている。
 台湾の学校を出て、中国へ行き、徴兵されて、その後、シベリア抑留となり、日本に帰ってきたお父さんの話や戦後のいろんな思い、高度経済成長が捨ててきたもの、9条の意味などを、台湾の現地、アイシュビィッツ、ポーランド、アメリカのアーリントン墓地、9・11のグランドゼロ、ヒロシマの平和の碑、沖縄の平和の礎などの現地を丁寧に追って、見たことのない作品になっている。
 日本が戦争責任を追及できなかったという問題、忘却ということ、日本の主体性と反省の問題など被害と加害の問題などか、テーマである。
 これだけ重いテーマであるのに、なぜしんどくならないのだろう。
 たくさんの重いテーマを扱っているにもかかわらず、教養番組、啓発という形になっているのはなぜなのか。
 多分視線や切り口が、独自のものだからではないか。
 こんな番組が作れるのも個人をきちんと出しているからだ。自分をかけて語っているからこそ、許容されているのだ、きっと。
 ナレーションも是枝さんが、担当している。それが、プロ的な従来の番組と違う味をかもしだしている。
 また、番組全体に手作り感が漂い、それが、新鮮さを生んでいる。
 声高に論じているのではない。
 しかし、小泉首相が、イラクへの自衛隊の派兵をするときの演説が、憲法前文を引用していることをとりあげ、他の部分で、憲法前文が、戦争をしないとしていることをはっきり述べている。
 首相が、都合良く前文を引用していることについてのオブジェクション(異議)が、はっきり示されている。
 それと、是枝さんの人柄だろうか。 どこかユーモアが漂っている。

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