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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『Vフォー・ヴェンデッタ』(ジェームズ・マクティーブ監督 アメリカ 2005年 主演ナタリー・ポートマン)

 近未来の映画。マンガの映画化である。
 イギリスは、いまや恐怖支配の独裁政治となっている。
 マンガでは、「ビッグイヤー」(大きな耳)が、国民を盗聴している。今、日本の国会の周辺をしょっちゅう走っているパラボラアンテナを付けた車が走っていて、電話だけでなく、国民の日常会話を収集している。
「ビッグマウス」(大きな口)は、政府の考え方を大きく広める国営放送のようなものであり、プロパガンダを繰り広げている。
 そして、「ビッグフィンガー」(大きな指)は、具体的な弾圧部隊である。
 情報を統制し、夜間外出禁止令を出し、今のイギリスも、監視カメラが張り巡らされ、外国人やイスラーム、同性愛の人たち、活動家の人たちは、徹底的に弾圧されている。
 収容所では、細菌や人体改造などの研究が密かになされている。この収容所で育った人間が、復讐を誓い、テロリストとなるという設定である。仮面をかぶった謎の男Vである。
 国家によって作られた超能力者を描いた「ダークエンジェル」を思い出したし、また、仮面の姿から、「オペラ座の怪人」も想起させる。ナタリー・ポートマンが、変わっていくことから、わたしは、「ニキータ」や「アサシン」を思い出した。収容所や同性愛に対する弾圧から、ナチス・ドイツのことを思い出したし、坊主頭のナタリー・ポートマンは、もう引退してしまったアイルランドの歌手シンニードー・オコナーを思い出させる。
 謎の男Vは、多くの人を殺すし、また、ナタリー・ポートマンに対する態度には、付いて行けないところはあるのだけれど、独裁政権をどうやって変えていくのかという戦術には、実は、感心した。
 もちろん真似はできないけれど。
 多くの人に、これではだめだと思い起こさせ、行動を起こさせたのだから。
 こんなマンガや映画が、ヒットすること自体、アメリカもイギリスも日本も捨てたものではないのだ。
 仮面の男は、仮面を付けていて、顔の表情なんて見えないように思えるけれど、能のお面のように、これが,実に、雄弁で、人間くさいのだ。恐かったり、お茶目に見えたり、照れたりしているように見える。
 ナタリー・ポートマンとのある種の純愛とレトロなジュークボックスで、ダンスを踊るシーンが、やっぱり切ない。
 さて、わたしたちは、どんなやり方で、この社会を変えることができるのか。未来映画では、「」エニミー・オブ・アメリカ』『マイノリティー・レポート』そして、この『Vフォー・ヴァンデッタ』の3本が好きである。
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