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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
マジェスティック(フランク・ダラボン監督、ジム・キャリー主演・アメリカ・2001年)

 1950年のアメリカの話。
 一人の男が海岸に打ち上げられる。記憶を完全に喪失している。
 彼を見た街の人たちは狂喜する。「あのルークが帰ってきたのだ。」第二次大戦に参戦して、味方の兵士を助けたあと、行方不明になっていたあのルークが帰ってきたのだ、9年ぶりに。
 とまどう人、喜ぶ人・・・・・・。婚約者だった女性は、弁護士になった。
 街の英雄だったルークが、再び帰ってきて、戦争で傷ついた街の人たちの希望に再びなっていく。
 彼は、本物のルークかどうか。
 彼は、海岸に打ち上げられる前は、脚本家としてはたらいていた。当時のアメリカは、赤狩りのマッカ−シズムが吹き荒れていた。彼は、ぬれぎぬを着せられ、議会の調査委員会に呼ばれる。
 驚く街の人々。彼は、刑務所にいくことを避けるために人のリストを読み上げるか、それとも自分は無罪だと主張して、逆に刑務所に行くのか・・・・・・・・・。
 みんなの希望ということ、信念を貫くことの重要性、勇気について語りかけている。
 「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」の映画を作った監督はここでも希望を描きたかったのだろう。
 国会で、有事立法が議論され、ヒシヒシと危機を感じている日常である。テロ対策資金規制法、別名カンパ処罰法に反対したのは社民党だけだった。基本的人権の観点からの反対だったのだが、わたしが、驚いたのは、本会議での採決のときである。「ぎゃー」とか「おお」というどよめきが起き、「非国民」「こんな法律に反対するような政党なのだ」という怒声が聞こえてきたことである。
 人々は、冷静にきちんと考えずにドゥーッとみんなでとんでもない方向に動いてしまう。赤狩りのなかで、人生を破滅させられた人は、一杯いる。
 国会のなかで、徴兵制も合憲であると自民党の国会議員が発言する。
 そんななかにいるので、身につまされる映画であった。
 ところで、この映画は、第2次世界大戦の傷跡を描いているので、亡くなってしまった息子たちが描かれている。でも、男女共同参画社会基本法がある今、万が一徴兵制が布かれるとすれば、女も男も関係ない。
 時代背景が古いのだけれど、制作者は工夫をして、ジェンダーの点に配慮しているように思える。婚約者の女性を弁護士にして、彼女が、ルークに対して、議会の調査委員会のなかで、勇気をもって証言するようにきつく言うのである。
 「マスク」などの映画で、コメディアンとして、怪演したジム・キャリーだけれど、彼が主演した「トルーマンショー」も感動的な映画だった。真実とはなにか、真実を発見した人間は、勇気を振り絞ってやらなくてはならないことがあること、虚偽の上に生きていくことは空しいことであることを「マジェステッィク」と「トルーマンショー」の2つは、語っている。

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