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映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『グッバイ・バファナ』(ビレ・アウグスト監督 ドイツ・フランス・ベルギー・イギリス・イタリア)

 この映画は、ロビン島のバファナ刑務所でのネルソン・マンデラと白人でもある刑務官との関係を描いたものである。
 南アフリカ共和国の大統領になったネルソン・マンデラは、わたしの最も尊敬する政治家のひとりである。
 彼の「自由への道」は、素晴らしい本だった。

 いうまでもなく彼は、反アパルトヘイトの闘争の指導者であり、ロビン島のバファナ刑務所の囚人となる。
 27年間もの間、刑務所に閉じ込められ、その後、アパルトヘイトを廃止に追い込み、南アフリカ共和国の初代の黒人の大統領となる。

 当時、南アフリカ共和国が所有していた核兵器を廃絶し、死刑も廃止し、政治を行っていく。
 わたしが、南アフリカを訪れていたときは、もう大統領を引退をしていたが、ダーバンで開かれた国連の人種差別撤廃会議もヨハネスブルクで開かれた国連の環境会議も非常に印象的であった。
 南アフリカ共和国は、もちろん多くの問題をかかえているが、小学校を訪れたときに、子どもたちや先生が歌を歌ってくれたことや見たミュージカル、訪れたスウェットや泊まらせてくれた家などを忘れることができない。

 この映画は、身近にいる刑務官が、少しずつアパルトヘイトの問題などに関心を持ち、影響を受けていくことがよく描かれている。

 27年間も獄中にあることをよくまあ耐えて変わらずに、政治的情熱や影響力を持ちつづけることができたということにも感動をする。
 もしもわたしが、仮に27年間獄中にあったら、人間性を保って生きているだろうか。
 逆境に弱い(?)は、早い段階で、おかしくなっているかもしれない。

 ネルソンは、ぼろぼろの服を着て、刑務作業をしているときも、そして、政府の高官がやってきて、ANCの暴力行為をやめるように交渉し、それを静かに拒否するときも、ANCの爆破行為によって、多くの死傷者が出て、それをなじる刑務官の言葉を聞き、政府とのトップ交渉で、暴力行為をやめると宣言をするときも、そして、釈放をされ、民衆のもとに両手を挙げて登場をするときも、全く変わらない。
 静かで、確信を持ち、堂々としていて変わらないのである。

 そんなネルソンの大きさをわたしは、時々心のなかでかみしめる。
 すぐそばの刑務官にも尊敬をされ、実は、心の交流があり、人間性が豊かで、どんな境遇にも卑屈にならない。

 尊敬をする政治家であり、めざしたいと密かに思っている。

 この映画は、有名な刑務官への静かな感化の視点から描かれたものである。
 この静かな?力はすごい。
                   (福島みずほのHPより一部変更して転載)
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