判例 女友だち 映画ウォーキング 情報BOX わがまま読書 リンク おたより欄
映画ウォーキング 群を抜いておもしろい映画評です。名作と言われる映画もジェンダーの視点で切ると・・・
『六ヶ所村ラプソディー』(鎌仲ひとみ監督 日本 2006年)

 ぜひ1人でも多くの人に見て欲しい。
 今、日本でどんなことが進行しているか、ひとりでも多くの人に見てもらいたい。
 深刻なテーマを扱っているが、鎌仲さんの目線の低さからか、人々が本当に生き生きと描かれているせいか、ユーモアやあかるさ、生きていくことが伝わってくる。
 再処理に反対をする人たちが、有機で米や野菜をつくり、チューリップを作りながら、命に思いをはせ、反対運動をしていることの思いが、ひたひたと伝わってくる。

 青森県に、六ヶ所村がある。
 わたしは、スタディーツアーで訪れ、民宿に泊まったことがある。

 六ヶ所村には、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物処分場、高レベル放射物の貯蔵施設、再処理工場の4つがある。

 再処理工場で、アクティブ試験が始まってしまった。
 放射性使用済み燃料を溶解している。極めて猛毒のプルトニウムを取りだしていくことになる。
 何のために。
 さっぱりわからない。
 再処理の過程で、高さ150メートルの排気塔から放射性物質の希ガス(クリンプトンやヨウ素)が、そして沖合い3キロの放出口からは同じく放射性物質のトリチウムが太平洋に排出されることになっている。

 地域のいろんな人たちが、インタビューに応じて語っている。
 六ヶ所村のなかで、クリーニングの仕事をする人、下請けで仕事をする人、こんぶとりをする人たち、推進をする建設業を営む村議会の議員など。

 下請けで働く人は、「子どもたちを食べさせるためだ。」と答えている。

 こんぶをとり、乾して、作業をしている。
 そのときに、歌が出る。
 実にいい声で、女性が朗々と歌う。
 昔、人々は、働きながら、こうやって、歌を歌っていたんだろうなあ。

 反対運動をしながら、有機で野菜を作っている人がいる。保育園に真っ赤なトマトをおろしに行く。かぶりつく子どもたち。真っ赤なトマトが、実においしそうだ。トマトのにおいが、画面からも伝わってきそうだ。おいしそう。

 有機で、米を作っている女性がいる。
 田植えのときなど、稲に話しかけながら、田植えをしている。
 冷害になりそうなときなど、彼女は、田んぼに行って、「頑張れ、頑張れ。」と苗の一本一本に語りかける。
 「人に聞かれたら変だと思われないように、小さな声で語りかけているんですよ。」といたずらっこみたいな生き生きした表情で言う。

 面白い楽しい人。
 核燃料サイクルに反対をすることと苗などの命に語りかけることと有機でがんばることがつながっていることが、伝わってくる。

 彼女の有機のおいしい米を購入してくれる人に、彼女は、信頼関係を大事にする趣旨から、再処理の危険性について、手紙を書く。
 不安を感じて、購入をやめるという返事がいくつか届く。

 再処理の問題点を指摘しなければならないけれど、それが自分の首をしめていくということを生んでいく・・・・・・・。

 鎌仲さんは、イギリスのセラフィールドにもマン島にも出かけていく。漁師の人が、不安を訴える。

 鎌仲さんの映像は、目線が低く、生活に根ざしている。賛成の人も反対の人も疑問を持っている人も生活のなかから、発言をしている。
 命を大事にということから、許せないという静かな思いが伝わってくる。
 正直、東京の集会だけでは伝わりきれない豊かさが,広がっていく。
 津軽三味線の音楽も素晴らしい。

 再処理、核燃料サイクルなんて難しいよ、脱原発なんていう人の顔が見たいという人、子どもたちの未来が心配という人も、いろんな人が、ひとりでも多く見て欲しい。

 もう1度みんなで考えよう。
                    (福島みずほのHPより一部変更して転載)
Copyright(C) 2001 GAL. All Rights Reserved.
 
TOP BACK