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判例 その他
1−1995.7.5
民法900条4号但書前段は、憲法14条1項に反するとはいえないとした例
[裁判所] 最高裁大法廷
[年月日] 1995(平成7)年7月5日決定
[出典]  民集49巻7号1789頁、家月47巻10号23頁、判タ885号83頁
[判決の概要]
 被相続人の女性Aが法律婚をする前に、Aの親の意向によって跡取として男性Bと試姻をし、婚外子Cをもうけたが、Bとは婚姻に至らなかった(戦前の家制度下でのことである)。Cは死亡しその子Dと 他の相続人との間で、法定相続分の規定の合憲性が争われた。多数意見は、「現行民法は法律婚主義を採用しているのであるから本件規定の立法理由にも合理的な根拠があるというべきであり・・・著しく不合理であり、立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えたものということはできない」として合憲とした。ただし15人の裁判官中、5人が反対意見を述べ、賛成意見中4人の裁判官が立法による解決が望ましいとする補足意見を述べ、裁判官の間でも意見が分かれたことが判決文そのものから読み取れた。
 たとえば賛成意見の(合憲)千種、河合両裁判官は、「一般にある法律の規定について、制定当時においては合理的理由があったが、その後の時の経過とともに対象とする事柄をめぐる諸事情が変化し、その合理性が疑問とされる事態の生じることは、あり得るところである。このような事態に対処するには、当該法規を改廃し、あるいは新法を制定するなど、国会の立法作用によるのが本来の姿であり、またそれが望ましくもあることは多言を要しない」として立法による解決に託した。反対意見(違憲)の中島、大野、高橋、尾崎、遠藤裁判官は、「出生について責任を有するのは被相続人であって、非嫡出子には何の責任もなく、その身分は自らの意思や努力によって変えることはできない。出生について何の責任も負わない非嫡出子をそのことを理由に法律上差別することは、婚姻の尊重・保護という立法目的の枠を超えるものであり、立法目的と手段の実質的関連性は認められず合理的であるということはできないのである。」とした。
[コメント]
 相続分差別の改正を含む民法改正案が国会に上程されそうな気配の中で下された決定であったためか、合憲とした裁判官の中でも4人の裁判官が立法による解決に託した。しかし、そうした司法消極主義は意図に反し立法による解決を抑制し、改正はいまだ実現していない。非婚か結婚か、子どもを持つか否か等のライフスタイルの中立性の確保というジェンダーの視点からみても、差別の撤廃が望まれる。
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