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後見等

2019.12.13
任意後見契約が存在していても家庭裁判所が法定後見開始の審判等をすることができる際の要件である「本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り」(任意後見法10条第1項)が認められなかった事例
[高松高裁2019(令和1)年12月13日決定 家庭と法の裁判30号88頁]
[決定の概要]
任意後見契約が登記されている場合に家庭裁判所は「本人の利益のために特に必要があると認めるとき」に限り、後見開始の審判等をすることができる(任意後見法10条1項)。本決定はこの要件につき「任意後見人の法的権限が不十分な場合、任意後見人の不当な高額報酬の設定など任意後見契約の内容が不当な場合、任意後見契約法4条1項3号に該当するように受任者に不適格な事由がある場合、任意後見契約の有効性に客観的な疑念のある場合、D本人が法定後見制度を選択する意思を有している場合など、任意後見契約によることが本人保護に欠ける結果となる場合をいうものと解するのが相当である」とした。
原審は、@本人が家裁調査官に対して、後見人は必要ない、とか、任意後見契約は締結していない、などと述べたこと、及びA任意後見の受任者が遠方に居住しており身上監護に疑問があること、等から保佐開始を決定したが、本決定は、@の本人の言動は法定後見を申し立てた相手方への不信感の表れであったこと、及びA任意後見契約の受任者が16か月で17回本人を訪問し延べ51日間にわたり本人の身上監護をしていることを認定し、「本件任意後見契約によることが本人保護に欠ける結果となるとは到底認められないから、本件で補佐開始をすることが本人である抗告人の利益のために特に必要があるとは認められない。」と判断し、任意後見契約を優先させ、保佐の申立てを却下した。

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