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ハーグ条約

2015.1.30
ハーグ条約に基づき、スリランカに住む男性が、西日本で暮らす妻に、5歳の娘のスリランカへの返還を求め、返還が認められた事例
[大阪高裁2015(平成27)年1月30日決定 同月31日付産経新聞(大阪)朝刊]
[大阪家裁2014(平成26)年11月19日決定 法学教室412・179頁]
[事実の概要]
夫の仕事のため2013年2月より夫婦と娘はスリランカに移住していたが、2014年6月、3人は一時帰国した。再び3人でスリランカに戻る予定であったが、妻は夫に戻る意思がないことを伝え、夫のみがスリランカに戻り、別居するようになった。夫、妻、娘はみな日本人。夫は妻に娘の返還を求めたが、話し合いが決裂したため、2014年10月16日、ハーグ条約(「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」)に基づき、娘のスリランカへの返還を求めて大阪家裁に申立てをした。同家裁は返還を認める決定を言い渡した。妻はこれを不服として、大阪高裁に即時抗告した。
[決定の概要]
原審では、スリランカが、ハーグ条約に基づいて連れ去られた子が原則戻る国とされる「継続的に居住していた国」に該当するかが争われたが、子が継続的に居住していた国に該当するかどうかは、「居住年数や目的、状況などを総合的に考慮し、個別に判断すべき」としたうえで、娘が帰国後も現地の学校に通学する予定であったことなどから、スリランカが「継続的に居住する国」に該当すると判断した。妻側は、娘をスリランカに戻せばその心身に悪影響を及ぼしかねないと主張したが、原審はこれを排斥し、返還を命じた。大阪高裁は、一審決定を支持し、妻の即時抗告を棄却した。
[ひとこと]
本件は、国内の裁判所による返還命令が公表された初めてのケースである。

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