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判例
1  離婚原因
1-1 有責配偶者からの離婚請求
1−1−2013.12.26 離婚請求控訴事件(仙台)
別居期間約9年、同居期間約18年、妻がうつ病で稼働できず負債を抱えている事案で、有責配偶者である夫からの離婚請求を棄却した例
[仙台高等裁判所2013(平成25)年12月26日判決 家庭と法の裁判1号111頁、判タ1409号267頁]
[事実の概要]
夫婦は1985年に婚姻し、3人の子がいる。夫は2002年頃から不貞行為をし、2004年、妻と別居して、同年、離婚訴訟を提起した。同請求は、有責配偶者である夫の離婚請求は信義誠実の原則に照らし許されないとして、棄却された(3人の子は当時全員未成年者)。別居後、夫に対し月額28万円の婚姻費用の支払いを命じる決定がなされたが、夫は支払いを遅滞し、妻は夫の給料債権を差し押さえた。夫は、2011年、本件離婚請求訴訟を提起した。第1審は請求を認容し、妻が控訴した。控訴審で、夫は妻に対し離婚に伴う金銭給付として合計1000万円、うち250万円は一括、残り750万円は毎月20万円ずつ分割して支払う旨を提示している。
[判決の概要]
「被控訴人は,平成14年暮れころからFと不貞関係を結び,これを契機として平成16年×月に自宅を出て控訴人と別居し現在に至っており,婚姻関係破綻は専ら被控訴人に責任があって,その有責性が高いこと,他方,控訴人は被控訴人との婚姻関係を修復してこれを継続したいと望んでいること,また,控訴人は,うつ病に罹患して思うような稼働ができない状態にある上,…少なくない負債を抱え,同居して養っている二男がまだ大学生で社会人となるには少なくとも1年以上を残していること,被控訴人には控訴人との離婚を早急に成立させなければならないような切迫した事情は見当たらないことのほか,控訴人と被控訴人の別居期間が約9年4か月であるのに対し,両名の婚姻後の同居期間が約18年6か月に及び,また,現在,被控訴人は51歳(別居当時41歳)で,控訴人は52歳(同43歳)であり,別居期間が同居期間や各自の年齢に比して相当の長期間に及んでいるとまでは認められないこと,そして,被控訴人が控訴人に提示する前記のような金銭的給付については,被控訴人が相当程度の収入を得ながら確定審判により支払を命ぜられた婚姻費用の支払いをせず,そのため控訴人は被控訴人の給与の差押えにまで及んでいることに照らすと,被控訴人が給付を約束する将来支払分の履行に不安が残るといわざるを得ないこと,このような状況の下で,控訴人は,被控訴人と離婚した場合,その心身などの状態や経済状態からして,精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状況に置かれると推察されることを総合考慮すると,いわゆる有責配偶者である被控訴人からの本件離婚請求は,信義誠実の原則に照らし許されないといわざるを得ない。
よって,本件離婚請求は理由がなく,これを認容した原判決は不当であるから,原判決を取り消して被控訴人の請求を棄却する」
[ひとこと]
有責配偶者からの離婚請求の一事例である。
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