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判例
2−1−2007.4.17
不貞行為及びその結果婚姻関係が破綻したことによる精神的苦痛についての慰謝料請求事件の判決の既判力の範囲を示した事例
[裁判所]広島高裁
[年月日]2007(平成19)年4月17日判決
[出典]家月59巻11号162頁
[事実の概要]
本件は、一審原告(妻)が一審被告(夫)に対し、離婚及と財産分与を求め、かつ、併合請求として、妻から夫及び不貞の相手方に対し、離婚せざるを得なくなったことにより精神的苦痛(離婚自体慰謝料)を受けたとして、不法行為に基づく損害賠償請求を求めた事案の控訴審判決である。本件では、これに先立ち、前訴(妻から夫及び不貞の相手方への慰謝料請求)があったので、損害及び訴訟物の同一性が問題となった。
原審は、一審被告らの不法行為に基づく損害賠償義務を認めた。
[判決の概要]
妻から夫及び夫の不貞の相手方に対する慰謝料請求事件(前訴)の確定判決がある場合、前訴は、不貞行為及びその結果婚姻関係が破綻したことによる精神的苦痛に対する慰謝料を請求するものであり、離婚によって妻が被る精神的苦痛については賠償の対象とされていないから、前訴の訴訟物と、妻からの離婚請求に伴う夫及び夫の不貞行為の相手方に対する慰謝料請求(後訴)の訴訟物とは異なり、前訴の既判力は後訴には及ばない。
(しかし、本件では、結論として精神的損害は認められなかった)。
[ひとこと]
請求する損害の内容、訴訟物の同一性の有無、を明確にした点で意義がある。しかし、夫及び不貞の相手方を2度訴えるという手法は常識的でない。もともと、離婚自体慰謝料は本当にあるのか(離婚したくて請求するのに、離婚すると苦痛、と主張するのは矛盾!)という問題もあるので、2度目の請求の妥当性はなおさら問われよう。
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