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2−1−2013.2.14
元妻が元夫に対する、婚約前から元夫が他の女性と男女関係を続けていたことを原因とする損害賠償請求が認容された事例
[佐賀地裁2013(平成25)年2月14日判決 判時2182号119頁]
[事実の概要]
元夫婦は2010年に婚約し、その約1年後の2011年に婚姻したが、その翌月、妻はメールにより夫の不貞に気づき、すぐに別居となり、同年中に協議離婚した。元夫は婚姻後、特定の女性と相当な回数、性的関係を持っていた。
[判決の概要]
「原告と被告は、婚約が成立したのであるから、正当な理由のない限り、将来結婚するという合意を誠実に履行すべき義務を負っているから、それぞれ婚約相手と異なる人物を性的関係を持たないという守操義務を負っていたというべきところ、被告は婚約成立後、松子という名前の女性と性的関係を持ち、しかも、結納後も、当該女性に対し執拗に性的関係を持つことを執拗に求めていたのであるから、婚約相手である原告の被告に対する信頼を裏切ったことは明らかである。原告が、被告の不貞の事実を婚約中に知ったのであれば、被告との婚約を破棄し、結婚式を挙げることはせず、新婚生活を送るために準備もしなかったであろうこと、さらに、被告の不貞により多大な精神的苦痛を被るであろうことは当然に予測し得たというべきである。」として、新婚生活のために購入した家具・電化製品、新居への引越費用、結婚式費用及び慰謝料200万円の合計417万7624円の支払いを、元夫に命じた。
[ひとこと]
婚約中の守操義務違反を根拠に、離婚後に慰謝料請求が認められた事例は珍しい。
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