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判例
2−2−2015.6.19
婚姻関係破綻の主たる原因が元夫の行為にあるとして元妻の慰謝料請求が一部認容された事案
[東京地裁2015(平成27)年6月19判決 LEX/DB25530573]
[事実の概要]
原告元妻Xと被告元夫Yは2005年から同棲を始めた。同棲中から、Yは転職を繰り返したり、クラブ等に遊びに行ったり、出会い系サイトを利用したりするとともに、Xを複数回殴ったりした。2007年3月XとYは婚姻したが、婚姻後もYの暴力その他の行為は続き、同年7月、YはXに暴力行為に及び、Xに顔面、右腕、背中の多数の痣、両手の骨折等の傷害を負わせた。2009年11月ころ、Yが暴力行為に及び、Xが警察に通報する事態となった。その後Yは実家に戻り、Xは離婚調停を申し立てたが、その後取り下げた。調停期間中にYは自宅に戻り、Xとの同居を再開した。しかし、2010年にもXと口論となり憤慨したYはドアチェーンは部屋の引き戸を壊し、Xの両手足を殴るなどした。Xは同日交番に逃げホテルに避難した。そのまま別居となり、2011年2月3日に協議離婚に至った。
2013年2月、XはYを相手方として、財産分与、慰謝料、年金分割を求めて家事調停を申し立てた。2014年3月、YがXに対し、財産分与として土地建物(2006年2140万円の住宅ローンを借り入れしてY名義で購入)を分与すること、XがYに財産分与として550万円支払うこと(ただし、同年4月15日限り523万円を支払った場合残額は免除)、住宅ローンの残債務をXが負担すること、を内容とする調停が成立した。調停条項には、離婚に関し、慰謝料を除き、何らの債権債務もないことを相互に確認する旨の算条項が入れられた。
XがYに対し婚姻期間中のYによる暴力等により精神的苦痛を被った等として損害賠償を請求した(本訴)。YはXに対し協議離婚成立後財産分与が成立するまでの間自宅に無償で居住していたとして賃料相当損害金の返還等を求めた(反訴)。
[判決の概要]
1 不法行為の成否
Yは喧嘩の際に暴力を振るい始めるのはXであり、自己防衛のためにXの手を握るなどしたに過ぎないと主張したが、判決は、Xの負傷状況等が軽微ではないことに照らし、Yの行為が自己防衛に過ぎないとは考え難い。また、Xに怪我をさせたことを自認し謝罪するYのメール等もある。婚姻期間中にYの主治医が「衝動性」等の症状を指摘してもいる。またYの暴力行為等はYの発達障害やアスペルガー症候群の影響も否めないが、治療によって症状を軽減することは可能であり、発達障害等を理由にYの行為の違法性ないし故意を否定することはできない。
2 Xが被った損害
婚姻関係の綻の原因が主としてYの行為にあることあること、Xは体調を崩し鬱病を発症している。他方で、XもYの頬を叩くなどしていること、婚姻期間は約4年半であること、XY間に未成熟子はいないこと等を踏まえて、慰謝料は200万円が相当である。
3 不当利得の成否
YはXが離婚後自宅建物を無償で使用し、Yは使用が出来なかったとして、不当利得が成立すると主張した。
しかし、Yから使用料の請求等がなされていなかったこと等に鑑みると、YはXが無償で使用することを容認していたと解することが相当である。
Yは逸失利益の支払いも求めたが、財産分与が成立していることから、逸失利益は精算されたものというべきである。
4 Xが住宅ローンにつき住宅借入金等特別控
除手続に協力しなかったことについて不法行為が成立するか。 この点について判決は肯定し、2006年から2010円の控除予定金額合計43万6,950円の損害を被ったと認めた。
結論として、本訴請求については、217万3,000円と遅延損害金、反訴請求については43万6,950円と遅延損害金の支払いを求める限度で認容した。
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