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判例
渉外離婚(国際離婚)

4 離婚の方法
離婚の方法として裁判離婚によらなければならないか,あるいは家庭裁判所の調停や審判によってもできるのかという問題は,離婚の実質的成立の問題として離婚の準拠法によるものとするのが通説である。


4−2011.8.18
昭和49年に日本の方式でなされた韓国人夫婦の離婚届出につき、離婚が有効と認められ た例
[東京地裁2011(平成23)年8月18日判決 戸籍時報694-74]
[事案の概要]
1974(昭49)、韓国人妻Xと夫Aは、離婚届を都内の区役所に提出し受理された。XA間には、子Bがいる。1992(平4)年Aは死亡し、2009(平21)年、A名義不動産を、子Bは法人Yに売却し、Yは売買代金をBに支払い、Yに対する所有権移転登記がなされた。
XはYに対し、離婚は偽造による届出であり無効であり、自分は相続人として共有持分権を有しているとして真正な登記名義の回復を原因とする持分権移転登記手続きを求めた。なお、韓国での戸籍では夫婦となっているままであった。
[判決の概要]
請求棄却。
準拠法等については、「昭和49(1974)年1月25日の離婚の有効性は、同法律27号改正(平成元年6月28日法律27号)前の法例16条本文に基づき、夫の本国法の適用を受けて判断すべきものと解される。・・・昭和49(1974)年1月25日の離婚の有効性については、1977年の改正前の韓国民法に準拠すべきこととなる。・・また、韓国民法836条1項の方式に関しては、・・・結局、法律行為の原則規定たる同改正前の法例8条が適用され、同条2項に基づき、行為地たる日本法に則った方式によることができることになる」とし、「Xが本訴提起まで離婚の事実を全く知らずにいたというのはあまりに不自然である・・・Aが死亡するまで遂に同居することなく長年にわたって別居状態を続け、本訴提起まで離婚が無効であるとして、離婚届が出された状況を是正するための措置を何ら執ってこなかったことからすれば、届出時点において真意による離婚意思を有していたと推認することができるというべきである。」とし、「離婚届も提出されているのであるから離婚は有効に成立している」とした。
[ひとこと]
なお、韓国では、韓国人夫婦の離婚につき、2004年、日本での協議離婚受理証明書による離婚の報告的申告を認めていた扱いを廃止した。現在では、熟慮期間を経た上で裁判官による離婚意思確認が必要(韓国民法836条の2)で、養育費や面会交流など養育に関する協議書の提出が義務化されている(同法837条)。

4−1993.10.18
[裁判所]高松高裁
[年月日]1993(平成5)年10月18日判決
[出典]判タ834号215頁
[判決の概要]
中華人民共和国国籍の夫婦が高松市長に対して届け出た離婚届出について,離婚無効が争われたところ,離婚の準拠法は中華人民共和国法であるが,中華人民共和国法婚姻法の「登記機関に出頭し離婚登記を申請する」ことは法律行為の方式であって形式的成立要件にすぎず,日本法に沿った離婚届出は有効とした。

4−1991.5.14
[裁判所]横浜家裁
[年月日]1991(平成3)年5月14日審判
[出典]家月43巻10号48頁
[判決の概要]
ハワイ州法では,裁判離婚しか認められていないが,わが国でこういう方式に沿うのは家事審判法23条による審判であるとして,同条による審判離婚を認めた。

4−1988.2.23
[裁判所]東京家裁
[年月日]1988(昭和63)年2月23日審判
[出典]家月40巻6号65頁
[判決の概要]
裁判離婚しか認めていないペルー法について家事審判法24条による審判離婚を認めた。

4−1985.9.13
[裁判所]札幌家裁
[年月日]1985(昭和60)年9月13日審判
[出典]家月38巻6号39頁
[判決の概要]
朝鮮民主主義人民共和国では裁判離婚しか認められていないが,家事審判法24条による審判離婚を認めた。

4−1982.12.10
[裁判所]東京家裁
[年月日]1982(昭和57)年12月10日審判
[出典]家月36巻7号94頁
[判決の概要]
フランス民法では,調停離婚制度はないが,裁判官による離婚の言渡しを要件とする相互の同意による離婚は認められている(フランス民法229条)ところ,家事審判法24条により審判離婚を認めた。
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