職場で

-  上司・同僚・取引先による事例

--1995.08.29 運送会社事件(大阪)

    社長X男が、高校を卒業したばかりで就職したA女に対し、「処女か」「Aちゃん

がほしいねん」等性交を求める言動を繰り返し、退職に至らせたとして、50万円

の支払いが命じられた事例。

[裁判所]大阪地裁

[年月日]1995(平7)年829日判決

[出典]判例タイムズ893203

[評釈等]水谷英夫『セクシュアル・ハラスメントの実態と法理』(信山社・2001

[事実の概要]社長X男(58)は、亡き父親がかつて働いていた関係から高校卒業後入社

してきたA女(18)に対し、入社直後から、「処女か」「Aちゃんがほしいねん」

「ホテル行っても暗いからわからへん」「今金あんまり持ってないから明日もって

くるから」等の言動を繰り返したことから、A女は体調を崩し、以後出勤できなく

なり、入院し、退職した。

[原告の請求]150万円。

[判決の概要]50万円。「被告は原告の意思を無視して性的嫌がらせというべき言動を繰り

返し、原告を困惑させて、結局退職させる結果を招いたものであ〔り〕」、「〔社

長である〕被告は率先して、その職場環境の維持改善を図るべきであるにもかか

わらずこれを怠るばかりか、積極的に悪化させたものである」。

[ひとこと]