職場で

-  上司・同僚・取引先による事例

--1995.09.06 N建設業振興会事件(奈良)

    振興会理事X男が、部下A女に対して、太ももに触ったり、頬ずり・抱き上げる

等したことにつき、110万円の支払いが命じられた事例。

[裁判所]奈良地裁

[年月日]1995(平7)年9月6日判決《確定》

[出典]判例タイムズ903163

[評釈等]水谷英夫『セクシュアル・ハラスメントの実態と法理』(信山社・2001

[事実の概要]振興会理事X男(60)が、部下A女(23)に対して、太ももに触ったり、

頬ずり・抱き上げる等した。

[原告の請求]6332000円。

[判決の概要]110万円。「60歳の男性理事長と23歳の女性職員との関係において、子

育て期間中のスキンシップの話題から、どういう経過でそれが〔A女に対する〕

頬擦りや抱き上げると言う行動に発展するのか、その過程は理解困難であり、被

告の右供述内容は極めて不合理であるというほかはない」。「就職難といわれる時

期に大学を卒業し、純粋な気持ちのまま初めてついた職場において、理事長の被

告から…不法行為を受けた」こと等を考慮して慰謝料を認定するが、原告の退職

と被告の不法行為との間に相当因果関係は認められない。

[ひとこと]