1 職場で
1-1
上司・同僚・取引先による事例
1-1-1998.12.07 C社懲戒解雇事件(東京)
セクシュアル・ハラスメント行為者に対する懲戒解雇が有効であるとされた事例。
[裁判所]東京地裁
[年月日]1998(平10)年12月7日判決
[出典]労働判例751号18頁
労働経済判例速報1692号27頁
[評釈等]水谷英夫『セクシュアル・ハラスメントの実態と法理』(信山社・2001)
[事実の概要]派遣社員X男は、コンピューター管理業務に従事するため被告会社より訴
外B社に派遣されたが、B社の従業員訴外A女に対して抱きつきながら胸を触る
などの行為を繰り返した。A女がセクシュアル・ハラスメントであるとの苦情を
B社に申し立てたところ、B社が被告会社にX男の派遣に苦情を述べたことから、
被告会社は就業規則にもとづきX男を懲戒解雇した。
[原告の請求]雇用契約に基づく地位確認。
[判決の概要]棄却。「原告のA女に対する一連の行為は、A女が不快感を示していたに
もかかわらずなされたもので、その態様も執拗かつ悪質であり、A女に相当程度
の苦痛と恐怖を与えたものである」。「原告の行為がB社においてその職場内の
風紀秩序を著しく乱し、ひいては被告会社の名誉・信用を著しく傷つけたことは
否定できない」。「本件懲戒解雇が恣意的であるということはできないし、その
手続きが遺法であるということもできない」。
[ひとこと]