職場で

-  上司・同僚・取引先による事例

--2000.08.29 F製薬解雇事件(東京)

    セクシュアル・ハラスメント行為を行った管理職に対する被告会社の通常解雇処

分が有効とされた事例。

[裁判所]東京地裁

[年月日]2000(平12)年829日判決

[出典]労働判例79477

判例時報1744137

[事実の概要]部下30人を有する管理職X男が、複数の女性社員や派遣社員に対して「デ

ートしよう」「昨日は恋人と燃えたのか」等と発言したり、「今すぐにでも貴方

を抱きたい」との電子メールを送ったり、男性社員に対して「単身赴任で大変だ

から、夜だけ相手をしてくれる女を紹介してくれたら管理職にしてやる」と発言

したことなどから、被告会社はX男を通常解雇処分にした。

[原告の請求]雇用契約存在確認、賃金、慰謝料500万円。

[判決の概要]棄却。X男の各発言は「冗談と見られるものも含まれているとはいえ、部

下を困惑させ、その就業環境を著しく害するものであったといわざるを得ない」。

被告会社の処分は「いささか酷であるとの感を持たないではない」「しかし、被

害を受けたものの多さ、原告の地位、セクハラに対する被告の従前からの取組み

と、その中で原告が置かれていた立場、原告自身セクハラ行為をした部下に対す

る退職勧奨を行った経験〔などから〕…被告が通常解雇を選択したことには合理

性が認めら〔る〕」。

[ひとこと]控訴後和解。