1 職場で
1-1 上司・同僚・取引先による事例
1−1−2005.01.31 HPコンピューター会社解雇事件(東京)
金融営業本部長X男が、部下A女とB女に対して、日常的に性的な発言をしたり、身体的接触を繰り返すなどしたことから、会社から懲戒解雇されたことは正当とされた事例
[裁判所]東京地裁
[年月日]2005(平17)年1月31日判決
[出典]判例タイムズ1185号214頁
[事実の概要]
 約80人の部下を擁する金融営業本部長X男は、秘書A女に対して、「やらせてよお」「豊胸手術でもお金を出してやるからしろよ」、A女の面前で同僚の本部長に対して、「Aちゃんの生理、おれが止めちゃったんだよお」等と発言したり、A女の意思に反してキスをしたり、手を握るなどした。部下B女に対しては、日常的に「おまえ、いつやらせてくれるんだよ」等と言い、仕事中に「5時半過ぎたからいいよね」等と言って胸を触った。セクシュアル・ハラスメントについて厳正な態度で臨むことを告知していた会社は、これらの事実から、就業規則の懲戒解雇に該当するとして、X男を解雇した。
[原告の請求] 解雇無効確認
[判決の概要] X男の請求棄却。X男が上記セクシュアル・ハラスメント行為を行ったことは明らかであり、いずれも悪質なものである。X男は会社において役員に次ぐ地位にあり、約80人の従業員を管理監督する立場にあったにもかかわらず、立場上拒絶が困難なA女及びB女にセクシュアル・ハラスメント行為を行っていたのであって、その責任は極めて重い。
[ひとこと]
 言葉によるセクシュアル・ハラスメント行為はあったが解雇は重すぎるとした事件として
1−1−2009.04.24 電動機器販売会社解雇事件(東京)