1 職場で
1-1 上司・同僚・取引先による事例
1−1−2009.04.24 電動機器販売会社解雇事件(東京)
セクハラ行為が懲戒解雇事由非該当となった事例。
[裁判所]東京地裁
[年月日]2009(平成21)年4月24日判決
[出典]労働判例987号48頁
[事実の概要]
日常業務上や社員旅行の宴会席上でセクシュアルハラスメントを行ったことを理由として懲戒解雇された支店長兼取締役の原告が、懲戒解雇の無効を主張した事案。
[判決の概要]
原告の日常及び宴会席上での言動につき、「(支店長の)職務、職位を悪用したセクシャルハラスメントにあたる行為」に該当することは明らかであるとしつつも、「宴会での一連の行為も、いわゆる強制わいせつ的なものとは、一線を画すものというべきものであること」、「気のゆるみがちな宴会で、一定量の飲酒の上、歓談の流れの中で、調子に乗ってされた言動としてとらえることもできる面もあること」、「秘密裏に行うというより、多数の被告従業員の目もあるところで開けっぴろげに行われる傾向があるもので、自ずとその限界があるものともいい得ること」、被害女性に対する「犯すぞ」との発言も、「周囲には多くの従業員もおり、真実、女性を乱暴する意思がある前提で発言されたものではないこと」、原告が「反省の情も示していること」などから、懲戒解雇は権利濫用として無効と判断した。
[ひとこと]
言葉だけのことに解雇は重すぎる、ということだろうか。なお、セクシュアル・ハラスメントであることは認定されているので本欄に掲載した。 近年の懲戒解雇有効事例として

1−1−2005.01.31 HPコンピューター会社解雇事件(東京)