2 教育の場で
2-1 教師から学生・生徒に対する事例
2‐1‐2000.01.26 M大学事件控訴審(三重)
 助教授X男が、カラオケで歌いながら服を脱いでしりを見せ、大学3年生A女に馬乗りになり、後日抗議したA女を封じ込めようとしたことに対して、90万円の支払いが命じられた事例。
[裁判所] 名古屋高裁
[年月日] 2000(平12)年1月26日判決
[出典] 判例タイムズ1057号199頁
[上訴等]
 最高裁2001年6月14日決定(棄却)
 一審:津地裁1998(平10)年10月15日判決(33万円)
[事実の概要]
 絵画を教えている助教授X男は、カラオケで歌いながら服を脱いでしりを見せ、大学3年生A女に馬乗りになり、A女に精神的苦痛を与えた。後日A女が抗議すると、X男は単位の話を持ち出して封じ込めようとした。A女は専攻を変更した。
[原告の請求] 330万円。
[判決の概要]
 90万円。「A女の意思に反し、社会通念上許される範囲を逸脱している」。抗議を封じ込めようとしたことは「権利行使の妨害にあたる」。
[ひとこと]
 一審の33万円から増額された。新聞報道によると、大学は、X男への処分を10ヶ月間減給10分の1とし、A女に謝罪。