2 教育の場で
2-2 教育者によるその他の事例
2-2-2002.03.28 公立小学校事件(徳島)
 教頭X男が、職場歓迎会のニ次会で教諭A女を抱きしめ、キスをしようとしたことにつき、90万円の支払いが命じられた事例。
[裁判所] 徳島地裁
[年月日] 2002(平14)年3月28日判決
[出典] 読売・朝日新聞とも(大阪)2002年3月29日朝刊
[上訴等] 控訴審:高松高裁2002年9月判決(棄却・確定)
[事実の概要]
 教頭X男(50)は、職場歓迎会の二次会で、教諭A女をダンスに誘い、抱きしめ、席についてからもキスをしようとし、背を向けたA女を膝の上に乗せて抱きしめるなどした。
[原告の請求] 約370万円。
[判決の概要]
 90万円。「社会規範となるべき立場にあるのに、悪質な行為」。「〔学校の対応は〕十分でなく、原告の苦痛を拡大した面は否定できない」。
[ひとこと]
 X男は「具体的なセクハラ行為の認定が不十分で、医師の診断書など客観的な被害証明がないのに慰謝料が法外に高い」として控訴。一方、原告側弁護士は「金額としては高くないが、眼に見えない苦痛に対する精一杯の認定」と評価。新聞によると県教委はX男を停職3ヶ月の懲戒処分(2002年11月14日朝刊)。