医療の場で

-  医療関係者から患者に対する事例

--1995.05.16 レントゲン技師事件(東京)

レントゲン技師X男が、重度の障害で入院治療中のA女をレントゲン撮影する際に

わいせつ行為を行ったことに対して、X男と使用者たるY病院に300万円の支払

いが命じられた事例。

[裁判所]東京地裁

[年月日]1995(平7)年516日判決

[出典]判例時報155279

判例タイムズ876295

[上訴等]控訴後和解

[事実の概要]レントゲン技師X男(定年退職後の嘱託勤務)が、重度の障害で入院治療

中のA女(31)をレントゲン撮影する際、性器に指を入れるなどのわいせつ行為

を行った。

[原告の請求]1,100万円。

[判決の概要]X男と病院を経営する社会福祉法人Yは連帯して300万円支払え。「原告

は被告X男の不法行為により、性的自由を侵害されたものであり、また、重度の

障害をもつ身体障害者である原告が病院内のレントゲン室において、医療行為に

携わる者から猥褻行為を受けたものであり、これによる原告の屈辱感及び恐怖感

は極めて大きいものといえる。原告は、その障害のゆえに、将来にわたって医療

機関に対して信頼を寄せ、援助を受けていかなければならない者であるが、その

ような原告が、現に治療及び介護を受けている医療機関内において本件不法行為

を受け、それによって医療機関に対する信頼を裏切られたのであり、これによる

原告の精神的苦痛は重大である」。

[ひとこと]放射線技師と患者の間での紛争が少なくないため、日本放射線技師会は20

00年に各都道府県の技師会にセクシュアル・ハラスメント防止マニュアルを作成

するよう指示し、すでに埼玉県の技師会ではガイドラインを発表している。(弁護

士・榊原富士子)