医療の場で

-  医療関係者によるその他の事例

--2000.05.00  病院事務部長事件(大阪)

    事務部長X男が、自らのセクシュアル・ハラスメント行為を正当化しようとして

婦長A女を提訴したことにつき、143万円の支払いが命じられた事例。

[裁判所]大阪地裁

[年月日]2000(平12)年524日までに判決

[出典]読売新聞(大阪)2000525日朝刊

[事実の概要]事務部長X男は、院内で、夫のいる婦長A女のひざを触ったり、耳元で「触

りたくなる」とささやいたり、「おれは婦長一筋」などと書いた手紙やメモを手渡

すなどしたことから、病院を経営する法人の幹部からセクシュアル・ハラスメン

トを指摘され退職したが、約2年後に、「A女が自分を陥れるために〔セクシュア

ル・ハラスメント〕行為をねつ造した」等とする文書を、病院関係者6人に送っ

た。

[原告の請求]X男からA女への請求:1000万円。A女からX男への請求:720万円。

[判決の概要]X男からA女への請求は棄却。X男はA女に143万円を支払え。「〔X男の

提訴は〕自らの行為を正当化しようとした訴訟で悪質」。不当訴訟に対する慰謝料

として50万円、虚偽事実を記載した文書を送った名誉毀損に対する慰謝料として

30万円。

[ひとこと]「ふられた男に復讐するために、女は強姦されたと嘘をつく」とは強姦神話の

ひとつであるが、民事ではこの事件や2-2-1997.03.27(「ひとこと」

欄のB女への訴訟)のように、あるいは4-1-1999.12.13のA女への刑

事虚偽告訴のように、「ふられた女に復讐するために、男は名誉毀損されたと嘘を

つく」ことがある。