5 敗訴の事例
5-1
職場で
5-1-1998.03.20 寺事件(京都)
社会的に見て許容される程度であるとして、セクシュアル・ハラスメントが否定
された事例。
[裁判所]京都地裁
[年月日]1998(平10)年3月20日判決《確定》
[出典]判例時報1658号143頁
[評釈等]小川幸士・別冊法律時報20号62頁
水谷英夫『セクシュアル・ハラスメントの実態と法理』(信山社・2001)
[事実の概要]寺の代表役員X男が、A女ら従業員に「筆下ろし」と言いながら筆先で肘
から手首あたりを触ったことが数回あり、A女の肩を「お加持ちやで」(触るとお
陰があるという意味)と言いながら1、2度触った。
[原告の請求]100万円。
[判決の概要]棄却。「こうした行為は、その行為がされた状況や行為態様等からすると、
社会的にみて許容される程度を逸脱しているということはできない」。
[ひとこと]