5 敗訴の事例
5-1 職場で
5-1-2005.09.28 船舶検査社団法人事件(兵庫)
雇用契約の解除はセクシュアル・ハラスメント問題への対応を求めたことを理由とするものであり無効であると主張した常勤嘱託職員A女の請求が、棄却された事例
[裁判所] 神戸地裁
[年月日] 2005(平17)年9月28日
[出典] 労働判例915号170頁
[事実の概要] 職員A女は、被告社団法人において、期間1年の期限付き嘱託職員として毎年契約を更新しながら1987年10月から2004年3月まで勤務した。A女は03年3月に検査員X男から左胸を掴まれるなどのセクシュアル・ハラスメント行為を受け、所長、監査室長、本部長らに対応を求めたが、適切な対処がされないまま04年1月に同年3月を限度として雇用契約を更新しない旨を伝えられたと主張した。
[原告の請求] 雇用契約の確認、賃金支払、慰謝料1,000万円
[判決の概要] 請求をいずれも棄却する。A女の主張するX男が左胸を掴んだとの行為は、A女が持っていた携帯電話をX男が奪い取ろうとしたときに偶発的にX男の右掌が一瞬ないし2,3秒A女の左胸に触れたものであり、違法行為と認めることはできない。A女の主張するその余のセクシュアル・ハラスメント行為があったとは認められない。本件雇用契約の解除はA女の勤務態度に起因するものであり合理的な理由がある。
[ひとこと] 控訴。