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判例 働く女性の問題
1 賃金、昇進・昇格

1−2001.5.23 内山工業事件
男女間に賃金格差が存在する場合には、使用者側でその格差が合理的理由に基づくものであることを示す具体的かつ客観的事実を立証できない限り、その格差は女子であることを理由とした不合理な差別であると推認するのが相当であるとされた例。
[裁判所]岡山地裁
[年月日]2001(平成13)年5月23日判決
[出典] 労働判例814号102頁
[事実の概要]
被告会社の女性従業員19名(退職者8名を含む)が、いずれも女子であったことを理由に、勤続年数、年齢が同じの男子従業員に比較して、賃金等の支給につき不合理な差別があったとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、差別がなかったとすれば支給されたはずの賃金、一時金、退職金(退職者につき)と現実の賃金、一時金、退職金との差額相当損害金の支払いを求めた。
[判決の要旨]
男女差別の賃金に基づいて算定された一時金、退職金にも男女差差別があるとみとめ、損害賠償を命じた。
「……U表適用従業員すなわち女子は、T表適用従業員すなわち男子の約8割弱の基本給しか支給されていないのであるから、その格差は過大というべきであり、被告の主張するように使用者に賃金決定の裁量があるとしても、その裁量を逸脱したものと言わざるを得ず、加えて、右に認定したように、T表とU表は、昭和56年以前は「男子賃金表」、「女子賃金表」と性別により区別されていた歴史的な背景からすると、本件においては、男女の賃金格差に合理的な理由があるとはいえない。
したがって、本件において、昭和63年から平成7年10月までの基本給については、不合理な男女差別が存在したものと認められる。」「……平成7年11月以降の基本給は、…… 男女間に不合理な格差が存在する同年10月の基本給が基準となっていることから、同年10月時点で生じている不合理な格差をしょうけいしているものと認められる。」
「……査定分については、前記認定事実によれば、査定分係数及び評価係数はそれぞれ2系統の係数が用いられており、いずれの係数についても、男子又はT系統の系統の係数はすべてこれに対応する女子又はU系統の係数よりも大きい数値となっており」「評価係数については、1人の例外もなく、T系統の係数は男子に、U系統の係数は女子にそれぞれ適用されているが、前記(一)のとおり、被告における職務内容はあえてその労働報酬に2種類の系統及び格差を設けなければならないほどの明確な区分、相違はないことからすれば、評価係数のT系統、U系統の区別並びに査定分係数の男子及び女子の区別は、その実態において、基本給におけるT表、U表と同様、何ら合理的な理由がないのに男子に有利で女子に不利な格差を生じさせるものであると評価すべきであって、一時金における査定分は、前記(一)で認定したとおり、既に不合理な男女の格差を包含する基本給に、さらに、男女の格差のある査定分係数及び評価係数を乗じている点で基本給以上に男女の格差を拡大するものであって、この点においても不合理な男女差別が存在するというべきである。」「基本給及び世帯手当それ自体に不合理な男女差別が存することから、これに一定の比率を乗じて算定される最低保証のランクの者の一時金についても、基本給及び世帯手当の格差分に応じた不合理な男女差別が存在するといえる。」
退職金についても同じ論理で、男女差別を認めている。
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