判例 働く女性の問題
1 賃金、昇進・昇格

1−2005.03.28 住友金属工業事件
[裁判所]大阪地裁
[年月日]2005(平成17)年03月28日判決
[出典]労働判例898号40頁
[事実の概要]1959年から75年に高校を卒業後、事務職として住友金属工業に入社した女性4人が、5段階の最低評価ランクに位置付けられ、同期の男性社員と比較すると、年間で最大約230万円の差が生じたのは、男女差別であるとして、過去の差額賃金と慰謝料として総額約3億4000万円を請求。
[判決の内容]従業員が知らない闇の差別的取扱いが存在する、これは性別のみによる不合理な取扱いであり、公序良俗に違反しているとして、男女差別を認め、計6300万円の支払を命じた。
[コメント]改正男女雇用均等法施行以前の男女の賃金格差について、女性を差別する人事制度であったことを認定して、損害賠償を命じた判決は珍しい。