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7 パートタイム労働と派遣労働
7−2002.9.18 安川電機八幡工場(パート解雇)事件
パート従業員数も業績に応じて短期間にかなり変動していることも考慮すれば、整理解雇の4要件のうち、従業員削減の必要性、解雇回避努力、手続きの妥当性の3要件は満たされているとし、また、被解雇者選定の妥当性について、選定基準自体には合理性があるとされた例
[裁判所]福岡高裁
[年月日]2002(平成14)年9月18日決定
[出典] 労働判例840号52頁
[事実の概要]
抗告人(債権者)は、相手方(債務者)Y社が行った整理解雇の意思表示について、@解雇予告義務違反、A不当労働行為に該当、B4解雇権濫用であることを主張、労働契約上の地位保全および賃金の仮払いの仮処分を福岡地裁小倉支部に申し立てたが、却下され、福岡高裁に同時抗告。
[判決の要旨]
「……抗告人らが、14〜17年間もの長期にわたって、3か月ずつの雇用期間を多数回にわたって更新してきたことからすれば、相手方が抗告人らとの間の労働契約を更新しなかったことについて、解雇に関する法規制が類推適用される余地があるというべきである。」
「……以上の事実によれば、抗告人らが、雇用期間3か月で、勤務時間も正規職員より短いパートタイマー従業員であり(〈証拠略〉)、八幡工場においては、パートタイマー従業員数は、相手方の業績に応じて短期間にかなり変動していること(〈証拠略〉)も考慮すれば、以下のとおり、本件においては、いわゆる整理解雇の4要件の内、人員削減の必要性、解雇回避努力、手続きの妥当性の3要件は満たされていると一応判断することができる。」
「……抗告人甲野は、出勤率は84.23パーセントでその所属班(同班の被解雇者の割り当ては3名)の4番目に悪かったほか、無断欠勤や無断遅刻があり、これまでにも上司に注意をされたが是正されていなかったことが認められるから、上記選定基準に該当し、相手方が抗告人甲野を選定したことに違法は認められない。
しかし、抗告人乙山については、(証拠略)によれば、出勤率で40名のリストに登載されたことは認められるものの、その率は90.40パーセントで所属班(同班の被解雇者の割り当ては3名)の7番目であり、率、順位ともそう高くないところ、相手方が主張する抗告人乙山の勤務態度や協調性の問題点については、時期、態様等について具体的な主張がなく、これを疎明するに足りる客観的な資料や他の候補者との比較資料の提出もなく、さらに、相手方が、当初、抗告人乙山に対して年齢とか勤務状況であると答え、その後も具体的な理由は明確にされていなかったこと(〈証拠略〉)に照らし、抗告人乙山が選定されたことが妥当であると認めるに足りる疎明はないというほかない。したがって、抗告人乙山については、仮の地位を定める仮処分についての被保全権利の存在が一応疎明されているというべきである。」
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