7 パートタイム労働と派遣労働

7−2006.3.24 公務雇い止め事件
国立の研究所に14年近く非常勤公務員として勤務していたにもかかわらず、「任期満了」として、一方的に解雇したのは、解雇権の乱用であるとし、労働契約上の地位の確認をして、未払い賃金の支払いを命じた。
[裁判所]東京地裁
[年月日]2006(平成18)年3月24日
[出典]労働判例915号76頁、女性ニューズ06年3月30日号
[事実の概要]
原告Xは、1989年からら国立情報研究所で非常勤公務員として勤務、13回の契約更新を行ってきたが、03年3月31日付で「任用満了」であるとして解雇された。このとき解雇されたのはほとんど女性であり、組合を結成して団体交渉を求めたが、団交は拒否、解雇が強行されたため、提訴。
[判決の要旨]
労働契約上の地位を確認、未払い賃金の支払いを命じた上で、13回もの契約更新をした労働者を職場の資源として取り入れることが重要なのは、官民変わらないとして、契約更新を期待していた原告に、事前に任用修了方針があったにもかかわらず告知せず、さらに満了後の原告の再就職や、斡旋などをした形跡もないことは社会通念上認めがたい。