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女友だち 木村栄
生涯の友

 おしゃべりや温泉で育む友情は、女友だちの専売特許かと思っていたらそうでもないらしい。
 過日の夕刊のエッセイ欄に、作家の保阪正康氏の文章があった。高校二年の席替えで前後左右に座った五人が、六十二歳の今日まで、飲み、しゃべり、温泉巡りをしと、親密な交友を続けてきたという。
 還暦記念に海外旅行をした時の話題は、彼らの友情がなぜかくも長く続いたかの一点にゆきついたそうだ。
 その結論、つまり生涯の友情を持続させる暗黙のルールは、次の四つ。
 金銭の貸借をしなかったこと。
 仲間の悪口を言わなかったこと。
 家族づきあいをしなかったこと。
 五人とも業種が異なっていたこと。 四つ目はルールではないが、それぞれの会社が弱電、造船、ビール、建築のトップ企業で、ライバル意識が生まれなかったことも幸いしたとある。
 一と二は、男女を問わない友情の基本原則。三は原則ではないが、全くその通りと共感する。
 「家族ぐるみの交際」は、うまくいけば親戚に代わる幸せな関係をつくれるが、下手をすると、余計な気遣いやトラブルが増えて友情継続のリスクファクターになる。それを避ければ関係が深まらない。
 私の保育園友だちも、知り合った契機からして家族臭が濃厚だったにも拘わらず、「家族抜き」に徹して自由な話題を楽しみ、職場でも家庭でも解放されない思いを心ゆくまで解放してきた。そうして、それが「友だち」という関係の醍醐味と知った。
 四については、男だなあと思う。
 異なる業界のトップ企業に所属して横並びのステイタスが保証される。降りてしまえば別だが、「男は仕事」のただ中にいる男にとっては、それがライバル意識やコンプレックスの浸食から友情を守る安全弁なのだろう。
 女は違う。境遇は違っても、それぞれに「女の問題」を抱えて男社会を生きているという発見が、シスターフッドに支えられた友情の絆を強くする。
 じゃあ「男社会」でなくなったら?
 そう、その時こそが「女友だち」の真価を問われる時なのデス。

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