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女友だち 木村栄
男友だち・女友だち

 高校のクラス会の帰途。同じ方向の何人かが連れだち、途中一人、二人と別れて、最後はAと二人になった。
 ホームを歩くと、いつもAが線路側にいる。電車に乗ると素早く私のための空席を探す。降りる時は「ぼくも一度降りるから」と前に立って人混みをかき分けて進み、後に続く私が楽に降りられるように先導してくれた。
 悪い気はしない。これが男のエスコートというものかと、「男友達いない歴」ウン十年の私はいたく感心して、「発展家」のSに聞いてみた。
 男友だちのどこがいいの?
「さりげなくコートを着せかけてくれる快感、かな。いつも気を使ってくれてるって感じ、いいものよ」
 そう言えば、新聞の投書欄にも
 「強い男に守られたい。でも対等な関係を失うのは嫌」などとあった。
 ジェンダーフリーになっても、強い男に守られる快感、守られたい願望は残るのだろうか。
 Fはこんなことを言う。
「友だちと温泉に行って、楽しいねえと言ったら、彼女、男ならもっといいのに、ですって。もう即絶交よ!」
 それはそうだろう。かけがえのない「私」を男一般に見返られたら誰だってアタマにくる。が、「彼女」の気持も、一般論としてはごく普通の反応だ。
 などと考えていたヒマなある日。
 Yがまた落ち込んだ。女手一人で育てた息子が現役でT大に入ったという、ぜいたくな荷下ろしウツである。
「応急手当」と「時の薬」でひとまず浮上したところで、わが家でおしゃべりのアフターケアをした。盛り上がるほどに、Yの口からぽろっと漏れたのが、真っ先に助けを求めた男友だちの存在。「あほらし。以後SOSは期待しないで」とNや私に言われて慌てたYの、苦し紛れの弁明はこうだ。
 「急性期は男。『弱い女』には無条件に優しいもン。慢性期は女。時間かけてジワジワッと芯から利いてくる。ホントに頼りになるのはこっちデス」
 なるほど。男友だちは即効性の西洋医学、女友だちは血行促進・体質改善の漢方薬。時間はかかるが副作用がなくて体にやさしく、自己治癒能力を高めると言うのなら、ま、いいか。

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