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女友だち 木村栄
わがまま

 Nはわがままだ。職場でも三大わがままのトップだったと自慢している。
 例えば、職場で何人かで作業をしている時にお昼になる。誰かが買い物にいくことになって、注文を聞く。
 「私、おにぎり。でもマヨネーズ系は嫌。鮭もあんましねえ。あ、梅干しもダメ」と、Nが言う。で、
 「わがままあ!」
 と、買い物係のひんしゅくを買う。
 Nに言わせればこうだ。
 「だって、何を買えばいいのか迷うでしょう。これだけは嫌というのを言っておけば迷わなくて済む。私なら、その方が親切だと思うけどなあ」
 選択肢を少なくして買い物の面倒を省こうとNは考え、言われた方は、色々勝手な条件をつけられたと思う。
 どう贔屓目にみても、Nの言い分が通るのはせいぜい「マヨネーズと梅干」の二つまでだが、それはともかく、確かに「わがまま」にはこの種のカルチャーギャップがある。
 率直な物言いに慣れて、その良さがわかると何でも率直に言いたくなる。それが、婉曲、ぼかし、遠慮、横並び等の社交常識に慣れた人には、野放図なわがままに映るのだ。
 女は常に裏方で、自己主張に慣れていない。ここは一つ率先してと、場所柄をわきまえずに女性学的見解を持ち込んで、混乱をきたすこともある。
 私?
 そう言えばNがよく言う。
 「あなた、わがままなのに、なんでワガママと言われると怒るのよ?」
 「だってわがままじゃないもの」
 何が食べたい?どこへ行きたい?聞かれれば、アレがいいコレは嫌、と答える。話し合いの結果には従う。
 そのどこがわがまま?
 私の場合、「わがままは悪い」という刷り込みと、批判に弱い優等生気質とが連携して、瞬間的に反撥してしまうらしい。
 ともあれ、わがまま同士だと、いちいち「わがままねえ」と非難されなくて済むのが有難い。それに、話が早い。ハナから言いたいことを言うから、腹の探り合いや言葉の裏を考える手間が省けて、意見の調整がしやすいのだ。
 その限りで言えば、女友だちは「わがまま印」がおすすめ。

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