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女友だち 木村栄
友だちキューピッド

 TVドラマ「すいか」で、主人公が、社内報「私の友だち」欄の原稿で悩むシーンがあった。友だちと言えば横領事件で雲隠れした「お昼友だち」しかいない。しかし、その名は禁句だと言われて困ったあげく、下宿の同居人に仮の友人になってくれと頼む・・・。
 話の背景にあるのは、職場では友だちができ難いという現実。若い同僚は常に仕事上の、或いは寿退職先陣争いのライバルなのだろう。
 年を重ねると、別の悩みも出てくる。
 「忙しくて友だちと会えないで、一ヶ月も二ヶ月もギョーカイ漬けになっていると、ああ普通の人と話したい!って叫びたくなる。ギョーカイ固有の価値観、思考回路、ものの見方考え方が濡れ落ち葉のようにべったり張り付いて、魂が窒息しそうになるのよ。
 もうダメって感じで、時間をやりくりして友だちと会うとほっとするの。フツーの感性や言葉が自由に飛び交って、それを空気のように呼吸していると、みるみる心の凝りが溶けていく」
 先日のNの電話も、こんな話にぴったり呼応していた。
 「ホテルの夏枯れ対策で、スイートを昼の五時間ほど○○円で使えるって話があったの。定員四人。寝室は使えないけど、ルームサービスOK。おしゃべり会にぴったりでしょう? メンバーを選んで連絡したら、みんな大乗り気で、まあ、盛り上がったこと!
 やれ命の洗濯だとか生き返ったとか。ほんとに、話しているうちに顔が洗い立てみたいにつやつや光ってくるのよ。利害関係のない気心の知れた女友だちとのおしゃべりで鬱憤晴らして、仕事社会の垢がさっぱりと洗い流されるのね、きっと。女友だちの役割って、まさにコレだと思ったわ」
 Nが編集者時代に出会った三人は、仕事の対象は重なるが所属するギョーカイは違う。利害関係もライバル意識の邪魔もなくて、話題はぴたりと合うという、理想的な間柄だ。
 つなぎ役のNは「私だけ根なし草で、気分は複雑」だそうだが、縦割り社会で息苦しい思いをしている女たちをつないで、命の洗濯をさせるなんて、誰にでもできるわけではない、ちょっといい役回りだと私は思うヨ

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