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マーブル・チョコ
国会議員秘書の目から(fem-yoko)

その2 国会びっくり箱
 秘書という仕事がら国会議事堂と議員会館の間を一日に何度も往復した。
 はじめのころは、迷路のような議事堂の中を迷って衛視さんに行き先を訪ねると「お宅の先生もよく迷子になっていたよ」と笑われていた。慣れてくると、国会の案内も忙しいときなどは、「手抜きコース」と称して勝手に自分でコースを作ったりしていた。
 国会議事堂は、旧憲法下の大正時代から昭和にかけて建てられた、古い建物なので、その名残が随所に見られた。
 なんといっても一番びっくりしたのはトイレだった。紀平悌子さんによると、故市川房枝さんの秘書だったころは、女性トイレはなかったそうである。そういえばトイレは結構たくさんあったけれど、男性、女性と分けていないところも多かった。つまり「男女混合トイレ」である。
 名簿は混合がいいが、トイレは・・・。ちなみに私が秘書をしていた議員(女性)は気にしないで「混合トイレ」を使っていた。私は小心者だったので用を足しているときに男性議員が入ってきたらどうしよう、と考えるととても使えなかった。
 女性専用トイレも数は少なかったが一応はあった。「婦人便所」とかいてあり、思わず笑ってしまった。
 「混合トイレ」は議事堂の中だけでなく、たとえば参議院会館の会議室のそばにもあった。勉強会などでよく会議室を使用していたので、トイレを使うときはちょっと離れた女性専用トイレまで走っていた。
 ふるーい名残の最たるものは、中央広間の正面の階段をまっすぐ上がったところにある「御休所(天皇の控え室)」である。檜の本漆塗り、壁には崋山織りの緞子、敷物は絹緞通、壁には螺鈿をちりばめた漆の高蒔絵、光るものは全て純金などなど、建築当時の工芸の最高技術が集まって、ため息が出そうな豪華さであった。総建築費の一割の費用がかけられているらしいが、国会の開会式の日以外は使われることはないので、あとはもっぱら見学用になっていた。ここは見学用になるだけまだいいのだが、衆議院の職員によると天皇専用トイレもあるという。しかし使用されたことはないそうだ。使われもしないトイレより女性専用トイレを何とかして欲しいと当時は思ったものだった。
 それから数年後、男女混合トイレは姿を消した。

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