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マーブル・チョコ
第1回「ザンビアイニシアチブ」

長島 美紀
早稲田大学大学院博士課程在学中。
女性割礼/女性性器切除(FC/FGM)FC/FGM問題に関心をもち、
2003年8−9月にザンビアのアンゴラ難民の定住支援プログラム
「ザンビアイニシアチブ」とスーダンのFC/FGM問題に取り組む国内NGOを
単独で訪問、現場の視察を行った。


 2003年8月29日から9月20日にかけて、アフリカ南部のザンビアと、アフリカの角を構成する東アフリカの1国、スーダンを訪問した。目的のひとつはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)がザンビア政府と共同で実施する、「ザンビアイニシアチブ(Zambia Initiative、ZI)」事業地の視察だ。今回は、自治省でザンビアイニシアチブ開発プログラムのプログラムコーディネーター補佐を努めるブライアン(Brian Maimba)にお願いして、プロジェクト実施機関である西部州政府と連絡、日程の調整をしてもらった。

 私は難民問題に関心を持っていたが、難民問題は難民の発生から保護、定住と帰還、再定住という、非常に多岐に渡る領域であることを感じていた。難民問題で最も望ましい解決は、難民が自分の故郷に帰還することだが、紛争の長期化や政治情勢などを理由に帰還できず、避難したコミュニティーに定住する場合がある。ザンビアは独立後すぐにアンゴラ難民の発生と流入、大量受け入れを経験してきた。アンゴラ難民の滞在の長期化による受け入れ社会の負担は、発展途上国への負担となり、難民の円滑な定住を妨げる可能性がある。こうした状況を踏まえ、ZIはドナー国やUNHCRなど国連機関と協力して、難民と地域社会の円滑な経済発展を含む協力体制の構築を図ることを目的としてスタートした。今回、私はこのZIがスタートしたばかりの事業地域を視察しに、西部州へ向かうことになった。
 今回の訪問は、まったくの一人旅だったため、父と母には両極端な反応をされた。もともとアフリカに行きたいことを知っていた両親は、今回の一人旅に対しては反対しなかったが、母からは「ここまで育ったら後は自己責任」と一歩突き放された対応を受けた。それに対し父からは、必ず毎日メールするよう言われた。新宿で母親と別れてからほぼまる一日後にザンビアのホテルから早速父親にメールを送ることにした。連絡はできるだけするようにはしたが、ネットワーク環境の問題もあり、結局ザンビア西部州からは一度も連絡できなかった。

 西部州への旅はほぼ1日がかりだ。ブライアンは1000キロと言っていたが、人によって500キロとか、800キロとかさまざまな意見を聞いたが。いずれにせよ車で7-8時間かかる。途中国立公園を通るとき、野生のゾウやインパラを見ることができる、お得な旅だ。道路脇にもゾウの糞が大量にあるのを見ることができる。夕方には川に水を飲みに野生動物が多く来るとのことだった。

 西部州では、ZI地域コーディネーターであるパーシー (Percy Walusiku)のサポートで、各地を回った。ZIには、西部州の経済的困窮と言う事情も背景にある。ザンビアの中でも西部州は開発が遅れており、地域住民の経済状況も決して良くはない。自分たちの経済状況の困窮にも関わらず、難民という国境を越えた避難民ではないと言う理由で、UNHCRを初めとする国際機関からの援助を受けられる「難民」と受けられない「住民」の格差への現地住民と現地政府からの不満は、このプロジェクトの引き金となってきた。

 ZIは現地社会にいかに難民が持つ技術や知識を活かしながら、より円滑に難民の定住を促進するかが鍵となっている。アンゴラ難民の中でもザンビアで生まれた者は、アンゴラへの帰還を希望しない者も多く、その分どれだけ円滑に現地社会とうまくやっていくのかが鍵となっていた。

 ZIは現在、日本も含めた先進国の資金援助を受けて開始されたパイロット事業である。事業に参加を希望する集落は、自分たちのニーズを測定し、それに応じた事業を展開する。私が訪問した地域のひとつでは、灌漑事業として井戸掘りと、穀物を穀物の値段が高騰したときに販売するまで長期間保管することを可能にする貯蔵庫を作っていた。井戸や貯蔵庫の使用で得た金が収入となることで、彼らの生活に寄与すると同時に、他の住民の参加を促すことになる。

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