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老親とともに 信子と啓子
期日前投票(信子)

 母を車椅子に乗せて投票所に行くのは、ちょっと楽しい。母も嬉しそうだし、私も母の公民権行使に一役買えて、少しばかり誇らしくもある。しかし、気になるのはその日のお天気、幸いなことにこれまで雨に降られたことはなかった。
 今回の地方選挙も、都知事選は好天に恵まれ、屈強の若者数人のお出迎えで投票所になっている小学校の昇降口から会場まで、ひょいと車椅子ごと連れて行ってもらった。前回の選挙では、会場に入ってからは私が母と並んで、入場券を投票用紙にかえ車椅子を押しながら投票をすませた。これは決して難しい事ではないけれど、今回は母のために職員が一人付き添って、最後まで不便のないように手助けをしてくれた。私は自分の投票を済ませて、出口で待っていればよかった。母は「お世話になりました」と神妙に頭を下げていた。
 ところが、市議選は雨降り。予想はされていたので、あらかじめ対策を検討した。
 まず、小降りの雨なら、合羽を着て車椅子でと考えたけれど途中で強い降りになる場合を考えると危ないから、まず不採用。
 次に、期日前投票を検討する。これには、いくつかの要件がある。
 @投票日に仕事をする予定、A投票日にレジャーや買い物等、自分の投票区の区域外へ外出、または滞在、B投票日に妊娠や病気、けがなどにより歩行が困難であると予想される このいずれかに該当する場合に許され、期日前投票所(市内に三ヵ所しかない)で投票が可能となる。
 これはだめだ、投票日に都合の付かない人を対象にしており母のような車椅子歩行者を予想していない。とすれば、残る不在者投票はどうか。
 この制度は本来、病院や老人ホームでの投票、あるいは出張などで市外に滞在中の人の投票を可能にするのが目的であって、文字通り不在者投票の制度。それに、身体障害者手帳を持っている一定以上の障害を持つ人、介護保険の被保険者証を持っている要介護5の人が郵便等で投票することが出来るという制度(事前の手続きが必要)を加える。
 もちろん母は該当しない。
 結局、タクシーを頼む事には二の足を踏み、棄権した。私はとても残念だったけれど、母自身はすでに権利行使への意欲をそがれ、「もういいわ、いろいろありがとう。候補者の考えもあまりよく分かってないし、意中の人はいないのよ」と私が慰められる事になった。

 それにしても、少々腑に落ちない。
 母のような条件の高齢者は大勢いる、今後ますます増える。期日前投票に車椅子歩行者の一項を加えてほしい。中らない天気予報だけれど、雨天を避けて期日前に投票が可能になればいい。私はしつこく市の選管事務局に問い合わせをした。期日前投票者は確実に増えている。都知事選で投票総数の9.27%(前回の2.5倍)、市議選では10.52%(1.52倍)ということだ。貴重な1票、何とか最後まで行使のチャンスは保障されねば。
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