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老親とともに 信子と啓子
サービス担当者会議(信子)

 母の介護認定変更申請が入れられて、要介護3となった。そして数日後、母を囲んで小さな会議が、我が家で開かれた。いくぶん広いリビングルームだけれど、8名の出席者で、補助椅子も出してソファーは満席になった。
 通所介護施設(デイサービス)の担当者、訪問介護(現在は、入浴介助)のコーディネーター、福祉用具貸与(介護用ベッド、車椅子、段差スロープほか)業者のスタッフ、在宅支援チーム(ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、看護師)の皆さん。今回は訪問看護チーム(看護師)は欠席だったが、これらの、私ども(母と私)を支えてくださる力強いメンバーがそろい、ケアマネージャー提案のケアプランをめぐって、当面のケア方針が話し合われた。この会議開催にいたるまでにも、母の希望や私の要望を汲んで、サービスを検討したり用具を探したりのご苦労をかさねていただいた。
 入浴に必要な介助用具一つにしても、利用者の身体と生活の実態にあったものを探さねばならず、器具センターのカタログをくまなくあたったり、時には若干の改良を余儀なくされることもあったりで、担当者のご苦労には本当に頭が下がった。
 一人の人間が、不幸にして認知症という忌まわしい病に襲われたとき、いかに多くの人手と知恵と様々な用具が、生活支援のために必要か。小さな母の周りを、まるでしっかり組まれたスクラムのように若い皆さんの勢いが伝わってくる。私にはいままでに想像できなかった場面であった。

 介護の現場は、厳しい。悲惨であり、残酷でもあり、さまざまの葛藤の末にも決して納得のいく結論はなく、それでも繰り返されるしかない厳しい現実。しかも、老老介護がその大半という現実。
 母の周辺症状の変化は、私に限りない将来の不安を覚えさせる。心身の疲れはいよいよ大きく、極限に達する。このままで走り続けるのは危険、私の健康も、私の家族の日常も壊れる。ということは、とりもなおさず母を護れないということではないか。

 サービス担当者会議のソーシャルワーカーのFさんの笑顔を思い浮かべた。「何でもご相談ください」って言ったって、解決の付かないことばかりなのに、、、、、、「私はネグレクトしているのではないか」と自問自答を繰り返すためらいをこぼしたところ、「それはネグレクトとは言わないでしょう」とたしなめられてしまった。介護についての認識、自分が娘としてできる、母の静かな最期にとって必要なことは何なのか。私は振り出しに戻った。
 三表に及ぶこまかな『居宅サービス計画書』をあらためて読み返す。私の優しかるべき手は、心優しい手でなければならない。私はサービス担当者会議の皆さんに見守られながら、母と私のいつまでも『よい関係』を追求しようと思う。
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