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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
『働く女』(群ようこ・集英社)

 疲れたときに読んでみたい作品があるが、私にとっては群ようこのものはその中に入る。とくに30代半ばくらいのシングル女性の心情を描いたものは、妙にリアルで笑えて良い。職場の冴えない「オジサン」の生態観察が鋭く、「ああ、こういう人いるいる」とこれまた笑える。
 今回は「働く女性」の「働く」場面に焦点をしぼった短編集である。よくこの手のOLものにありがちなどろどろした恋愛関係や家族関係が小気味が良いほど出てこない。だからじめじめしていなくて爽快なのだが、けなげな努力家はむくわれない、そしてその努力が多くは空回りしていて、それに気づかないのは本人だけという設定が多いのは、働く女性の現状を投影しているともいえる。でも、なーんか元気がなくなる。
 総合職の女性のケース(「そして私は番をする」)なども、当然、バリバリのキャリアウーマンの話かと思えば、とろくていじめられた女性が企業をやめて祖父の代わりに古本屋の番をするという話で、なんかねえ。元気なのは子連れでコンビニで働くパートとラブホテルの店長だけというのもまいったなあ。
 デパートのやり手の営業マン、パソコンを恐怖する中年男性と、むしろ男性の描き方に生彩があった。というわけで、今回は「群ようこ」という薬は、疲労回復には役に立たなかった。

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