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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
上野千鶴子=大熊由紀子=会田薫子=樋口恵子=井上治代『老い方上手』WAVE出版 2014年

 オビに「これから」を自分で決めるための知恵とある。
 みんなが知りたい老後に必要なお金、認知症、終末期医療、在宅死、葬送スタイルについて5人のその「業界」の第一人者が語る。早稲田大学の市民講座をベースにしているので、それぞれ読みやすく、実利的な知恵がたくさんつまっていて「お得感」のある1冊。
 とくに個人的に面白かった(というか知らなかった)のは、東大大学院死生学・応用倫理センター特任教授の会田薫子さんの「延命治療とは何か」である。現在問題になっている「胃ろう」がよい方法となる場合、そうでない場合。あるいは「人工栄養をしないとなぜ本人は楽になるか」ということ。人工栄養で余分な水分を送りこまないことで、気道内の分泌が減る。そうすると辛いタンの吸入を減らせる。さらにもっといいことは脳内麻薬といわれるエンドルフィンが出るというのである。つまりモルヒネを投与しなくても自然に分泌されるのだそうだ。だからがんのような激痛がない場合は、本人の中から出てくる天然の「モルヒネ」で十分なのだと。え、そうなの? しらなかった!
 そのほかにも点滴ケアが医学的に必要なとき、そうでないときなど、医学的根拠にもとづいて非常に明快に述べられていて「目からウロコ」だった。単に私が無知だということかもしれないが。人生しめくくるまでにまだまだ知らなければならないことがたくさんある!
 高齢者やその介護にあたる人、もちろん医療に携わる人にぜひ読んでいただきたい本である。(巳)
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