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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
(1) 『わかりやすい男女共同参画社会基本法』(内閣府男女共同参画局監修・有斐閣・2002)
(2) 『わかりやすいストーカー規制法』(大谷實監修・有斐閣・2002)


 いずれも法律を策定した責任者の手によるQ&A方式による簡潔な法律の解説書である。
 お役所の文章ってどうしてこんな味も素っ気もないのかしら? たとえば、(1)で、「家庭生活と他の活動の両立」とは、という問いに対して、「女共同参画社会を実現するためには、家庭を含めてあらゆる分野で男女が互いに責任を担い、協力することが必要であるといえますが、家庭生活における男性の現在の取組みは一般には必ずしも十分であるとはいえません。男性が家庭生活に目を向けることは、青少年の健全育成や、高齢期における男性の生活の観点からも重要です。」というのが答えであるが、官僚的な答弁の見本みたい。共働き世帯の男性の家事時間20分に対するに妻は4時間33分という現実をふまえての解答とは思われない現実感を欠いた緊張感のない文章だ。「そのための社会的支援とは」という発問にはわずか3行半。「子育て支援の充実」と「仕事と育児・介護両立のための雇用環境整備」といたって抽象的。それなのに「専業主婦という生き方も、本人の意思により選択することは基本理念に反するものではありません」と、ここだけはやたらと断定的なのはなぜ?
 いまや「男女共同参画社会」という言葉は錦の御旗だそう。どこにも使えて誰も抵抗できないとか。そういう精神規定であるならばこそ、男女共同参画局の意気を示してほしかった。巻末資料は充実しているので、持っていると便利。
 (2)のほうは、実質的には警察庁の人が執筆している。多分「恋愛」という言葉を条文に含んでいる法律ははじめてと思うし、身近な法律だから解説も具体的な例示を交えてわかりやすさをはかっているが、法律の条文だけを引用しながらの解説は不親切ではないだろうか。いきなり「ストーカー規制法第2条第1項の第1号から第4号の行為に関しては」といわれても……。本文中、重要なポイントが太字になっているのは親切。
 ストーカーの被害者は、女性が多いと思われるが、女性の人権を守るために警察官にはどんな教育・訓練がなされているのだろうか。警察での事情聴取で「2次被害」が起こるとはよく言われる批判だが、これにどう対処しようとしているのだろうか、そんなところも知りたかったのだが。


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