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日本弁護士連合会・両性の平等に関する委員会編「女性弁護士の歩み」(2007年 明石書店)

 土曜日昼のNHKTVに「生活笑百科」という長寿番組がある。日常生活で生じるトラブルをコントで見せた上で、その法的解決をお笑い系のタレントがいくつかの回答をする。最後に弁護士が短い解説をしながら正解を述べるもので、軽い番組であるが、設定されている問題はなかなか面白い。最終審判者の役を担っている弁護士は、複数の男性弁護士が交互に出演していたが、ついに最近女性の弁護士が登場するようになった。この番組に限らず、本職の女性弁護士が出演するテレビ番組も少なくないし、女性弁護士を主人公にしたドラマの傑作もできてきた。いまや、弁護士は女性のあこがれる職業の一つだろう。
 日本弁護士会に両性の平等に関する委員会ができて30年を記念して出版された本書には、約50人の全国の女性弁護士の多岐に渡る活動が自由闊達に綴られている。
 日本にはじめて女性の弁護士が生まれたのは、1940年で3人だった。それから約70年後の現在の女性弁護士は3137人、全体の13%という。3人から3000人にというのが本書のサブタイトルである。
 第1部は「ここまできた女性弁護士」として、女性の弁護士が切り開いた分野がいかに広く深いかが展望される。とくに男女平等にむけて労働、離婚の弁護活動のなかで勝ち得たものの大きさには目を見張るものがある。判例の積み重ねが法律になっているといってもいい状況がある。また実際、象徴的には男女雇用均等法の立法の原動力となったことに示されているように、その専門性を生かした活動が先進的であることがよくわかる。この先進性と行動力こそが男性弁護士と異なる点だろう。
 第2部は「法廷内外に活躍の場を拡げていった女性弁護士たち」。ここでは政治家になった女性弁護士の活動や地域で市民活動と連携しながら女性たちをサポートしている弁護士の姿が印象的である。オピニオンリーダーとしての活動が、あらゆる分野で行われている。
 第3部は「日弁連両性の平等に関する委員会30年の歩み」で年表も添付されている。
 400ページに近いボリュームだが、叙述する側もお行儀のいい論文から、判例評釈的で専門的な論文、自分史的な論文、メッセージ性の高い論文など、個性にあふれているので、読む側も関心のあるテーマ、知っている人の論文を好きなところから好きなように読める。思わず情景の浮かんでくるような文章もたくさんあってドラマの種がいっぱい詰まっている。
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