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国際女性の地位協会編『コンメンタール 女性差別撤廃条約』尚学社 2010年

 『女性差別撤廃条約』は、1979年12月18日に国連総会で採択され、批准国は現在186に上ります。本書は、1987年の創立以来この条約の研究・普及に取り組んできた「国際女性の地位協会」が、条約採択30周年を記念して刊行したものです。各分野の専門家・叡智を集めて行った逐条解説では、現在の日本社会が抱える性差別に関わる諸問題についても詳細・明瞭な分析がなされています。
 例えば、同性間パートナー関係は、どのように保障されているのでしょう。国内法は、異性間のパートナー関係を前提に定められています。しかし、女性差別撤廃条約16条は、「婚姻及び家族関係に係わるすべての事項について女性に対する差別を撤廃」することを目的とするものです。執筆者は、「性的傾向や性別自認が支配的な規範−感情的・性的な魅力は異性に向かうものであり、生活上のパートナーは異性間で構築されるもの、また、自らの性別は出生時の(身体的)性別と一致している−にあてはまらない『女性』は、16条によっていかなる人権を保障されうるのであろうか」と疑問を投げかけ、様々な角度から条文解釈に踏み込んでいきます。
 タイトルから見ると一見近寄り難そうに思えますが、非常に面白く、勉強になる一冊です。研究者や法律家だけではなく、老若男女全ての方にお勧めです。
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