判例 女友だち 映画ウォーキング 情報BOX わがまま読書 リンク おたより欄
わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
橋本信子 INJM『石巻ボランティアハウスの橋本ごはん』セブン&アイ出版 2013年

 こんな素晴らしい人がいるなんて…!圧倒された。
 石巻市の橋本信子さんは被災し、夫と住む自宅はまだ泥だらけ。
 それなのに、ボランティアの若者たちの活躍に感激し、ボランティアのためにごはんを作りはじめる。
 ボランティアのためのボランティア。30人くらいの分を何か月も。30人×30日×6か月で5400人分!?「え〜、そんなに?」とご自身でも笑う。各国からのボランティアとの写真でも、信子さんは笑顔ばかりだ。
 手間(牛たんシチューまで作る!)もお金も半端でなかったことだろう。絶対使わないと決めていたという貯金まで使いつくしたよう。しかし、とにかく楽しそうだ。夫の「のりちゃん」も、止めたってやるんだろう、と、自宅のコンロも車も、信子さんの「ボランティアのためのボランティア」活動に使われて、カップラーメンも食べられなくても、そのうちご自宅にボランティアが溢れるようになって「うちでは日本語が通じない」と言いながらも、信子さんを応援してきた。
 英語も話せないというのにしっかりコミュニケーションも取れている。東京の大学に留学していて目的を失っていた留学生の中には、信子さんの料理であたたかな日本の家庭料理を知り、帰国してレストランを開くなど、それぞれの生活をも見つめ直し、新たなスタートを切ってもいる。「国際交流」などと気負わず実践している。何度も目頭が熱くなる。
 料理の写真もいい。かっこいい料理でなくて、味が濃そうな、茶色系の料理の数々。いなりずしなんて、出来合いの揚げを堂々とレシピに載せている。でも、たまらなく美味しそうだ。
 東日本大震災の関連の本は、「読まなければ」との問題意識で読み始め、気が重くなって本を閉じる。それももちろん必要なのだが、この本はむしろ読み手も元気にしてくれる。信子さんの料理もきっとそうなのだろう。天晴れ!(良)
Copyright(C) 2001 GAL. All Rights Reserved.
 
TOP BACK