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安倍嘉人 西岡清一郎 監修『子どものための法律と実務』日本加除出版 2013年

 本書は、法律紛争の中にいる子ども、法律紛争によって影響を受ける子ども、そして子ども自身の行為を発端とする法律紛争という具合に、「子ども」と法律紛争にまつわる実務を、分野を問わず幅広く取り扱っている。執筆陣は、家庭裁判所判事・家裁調査官・臨床心理士・児童相談所長・弁護士等の子どもに関する実務に多く関わってきたプロフェッショナルである。
 まず、序章において、「子の利益」とは何か、そもそも親権とは何かということを、民法の規定を読み解きながら丁寧に論じ、尊重すべき子の利益について深く考察している。
 その序章が象徴するように、子の利益を軸に、様々な状況下の子どもの問題に対応できるよう、法律の手続から、具体的な実務の現場での状況等について詳述されている。
 第1部は、家庭の中の紛争、主に離婚紛争の中にいる子どもの問題をテーマに、判例や制度構築の流れを概観し、裁判所の視点から制度や手続を解説している。家事事件手続法に対応した手続のみならず、実際の運用の実情もフォローしている。
 児童虐待を中心とした子どもの福祉の問題を取り上げる第2部は、児童相談所や家庭裁判所が担う機能、そして周辺機関との連携やその周辺機関の役割等を説明している。シェルターにやってきた子どもたちの事例を取り上げ、シェルターへの入所手続から内部での支援などについて説明している部分が、内容的にとても印象深い。
 第3部は少年非行をテーマとし、少年事件の手続きを端的に説明するとともに、事件終了後のこと、つまり保護観察や更生保護施設入所、そして少年院送致後のことについても細かく紹介されている。
 第4部では、子どもの行為による民事裁判をテーマとする内容を扱っている。
 子どもの置かれうる状況に隅々まで網羅的に気を配った本著は、実務家にとって必携の一冊である。(起)
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